SOILWORK (2001) / A PREDATOR'S PORTRAIT
soilwork.jpg 1. Bastard Chain
 2. Like The Average Stalker
 3. Needlefeast
 4. Neurotica Rampage
 5. The Analyst
 6. Grand Failure Anthem
 7. Structure Divine
 8. Shadowchild
 9. Final Fatal Force
 10. A Predator's Portrait
 11. Asylum Dance

スウェーデン出身、近未来型メタルの大御所SOILWORKの3rdアルバム。僕のその後のメタル観に大きすぎる影響を与えたという意味では、IN FLAMESの「CLAYMAN」や、ARCH ENEMYの「BURNING BRIDGES」をもあるいは凌ぎうる一枚。

もう7年以上も前の記事なので記憶も曖昧なのだが、本作発表時のBURRN!誌ではブレインのピーター・ウィッチャーズがバンドの音楽性を「メロディック・ダーク・スラッシュ」とか何とか表現していたような覚えがある。まさにその通り。

ここで特に強調したいのが「ダーク」という部分。出世作の4th「NATURAL BORN CHAOS」から徐々に手放し始めた「陰」の側面が支配的なのが本作のキモ。この暗き衝動性・迸る殺気・マニアックなアングライズムと引き換えに足を踏み入れたスタイリッシュな大衆化路線によって広範な支持を得ていった様子を、僕は嬉しいやら悲しいやら複雑な気持ちで眺めていた。無論、「NATURAL~」「FIGURE NUMBER FIVE」ともに傑作ながら(特に前者)、うーん、やはり本作で聞けるこのスリリングな展開の妙は何者にも代えがたい。至るところで効果的なフックが爆発する、山あり谷あり・緩急自在の楽曲が与えてくれる戦慄を覚えるほどの快感…という感想は初めて聴いたその瞬間から何ら変わることはないのだ。

現在では吐き捨て系Voの第一人者として知られているであろうビヨーン・スピード・ストリッドのガドリング・マシンガンのような立体的ヴォーカリゼーションはこの頃から他に格の違いを見せ付けるクールさ加減で、疾走パートの体感速度を2倍3倍へと高めている。畳み掛ける“Needlefeast”や“Neurotica Rampage”をお聴きなされ。“The Analyst”の“Going on in shallow blindness!”の煽りときたらもうね。この作品から取り入れたらしい劇的なノーマルVoの頻度もこれくらいが僕にはちょうどいい(ちなみに1st・2ndは未聴なり)。

ピーター&オーラ・フレニングの甥・叔父Gコンビの流麗なソロの掛け合いも大きな聴きどころ。「ここで俺たちが山場を作るんだぜ!」という熱き美学を感じる好演の連発。テクはともかく、耳に残る印象的なフレーズを奏でるという点においてはかのアモット兄弟にだって匹敵しうる。ありがちなメロデス的というよりもやはりどこかスラッシュ的なリフ・ワークもヘンリー・ランタの歯切れ良いDsと相まって最高。二人は残念ながらもうバンドには居ないんだってね。「FIGURE~」でお腹いっぱいだと感じて「STABBING THE DRAMA」以降2作をパスしている僕が言うのもアレだけど。

そして本作を語る上で絶対に触れなければいけないのが、カルロス・ホルムベルグなるKey。雰囲気系のバッキングKeyとしてここまで効果的な仕事をやってのけたキーボーディストは稀有。独立した旋律を弾くことなく完全に裏方に徹している彼のおかげで、暗く神秘的な独特のドラマ性が格段に高まっている。SOILWORK屈指の壮大なる名曲“Grand Failure Anthem”が端的な例。もちろん、この後からバンドに参加したスヴェン・カールソンの貢献度の大きさは作曲面も含めて言わずもがなだが、地味ながら最高の働きを見せてバンドを去ったこの前任者はもっと評価されてもいいと思う。

僕は自らが垢抜けたメジャーな音を志向するリスナーであることを重々承知しているので、「NATURAL~」や「FIGURE~」よりもこのアルバムに魅かれる自分が不思議で仕方ないのだが、いまこれを書きながら聴き直して納得。“Bastard Chain”の超・金属的ガチャガチャ・やけっぱちスラッシュ、曲名からしてもはや意味不明気味のカッコよさ“Like The Average Stalker”、加速度的にテンションが上がるGリフに頬が引きつりっぱなしになっちゃう“The Analyst”。。。ラストのタイトル曲からボーナスの“Asylum Dance”まで途切れることのない緊張感。これぞ、まさに漆黒の闇の中を爆走するジェットコースター・メタルの理想系ではないか。部屋を真っ暗にして大音量で聴くことをお勧めします。この頃のSOILWORKはこんなにもがむしゃらで、熱いメタルバンドだったんだよ。


メタル歴1年目の高校時代にこんなにもクールな作品と出会えたことに感謝。引き合わせてくれたメタルの先輩H田にもね。おかげでメタルを見る目・聴く耳がかなり厳しくなってしまったような気もするけど(笑)。

テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

【2008/08/29 14:05】 | HR/HM 旧譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
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コメント
こんばんは。
SOILWORKはアルバム度に音楽性が変化するので、人によって好きなアルバムが分かれるのが面白いですね。
3rdは2nd「デスラッシュ」→4th「クリーンメロデス」の過渡期的な音楽性で、両面が混ざり合ってる感じがします。
洗練された音が好きなメロハー野郎な自分ですが、一番好きなのは激烈デスラッシュな2ndだったりします(笑)
ビヨーンの噛み付くようなVo.に畳み掛けるリフとドラム、北欧らしい流麗なG.ソロと今のSOILが無くしてしまった要素がここにあります。
2nd・3rdは確かに「熱いメタルバンド」でした。乾杯!
【2008/09/01 01:52】 URL | RABI #mxdmXl.w[ 編集] | page top↑
むーじゅさん
このアルバム懐かしいですね。僕が初めて聴いたSOILWORKの作品です。

当初はB!誌のARCH ENEMYタイプの新星という情報を鵜呑みにして、AMOTT兄弟ばりのクサイギターを期待しすぎて肩透かしをくった印象でしたが、改めて聴くとカッコいいアルバムだと気付きました。

ハイライトは「Failed! Failed! Failed! ~」と暴走するGrand Failure Anthemですね。

僕の中でもSOILWORKのピークは4th、5thだと思ってます。6th以降も聴きましたが、曲が一気につまんなくなったような…。

この3rdの頃みたいに「触るもの皆、傷つけるような刺々しさ」を取り戻して欲しいですねー
【2008/09/01 12:42】 URL | よしよ #-[ 編集] | page top↑
RABIさん、こんにちはー。

いやあ、まさかRABIさんからSOILWORKの記事にコメントが頂けるなんて…いえ、もちろん何でも鬼のように聴かれる方だとは承知していましたけど。思わずニヤリとしてしまいました(笑)。

僕は残念ながら2ndを聴いたことがないのですが、3rdが2ndと4thの過渡期だっていう見方には肯けますね。ある意味美味しいとこどりみたいな感じでしょうか。洗練路線も素晴らしかったですが、僕はこの熱さに1票です。

ああ、その激烈デスラッシュ(笑)が聴きたくてたまらないですー。頑張って探してみますね!
【2008/09/01 18:12】 URL | むーじゅ #-[ 編集] | page top↑
よしよさん、こんにちはー。

そう言えば、デビュー当初はARCH ENEMYタイプに分類されていたんでしたっけ。確かに安直に「メロデス」とは呼ばせないという意味で方法論は似ていますけど、出てくる音はかなり違っていますよね。

> 「触るもの皆、傷つけるような刺々しさ」を取り戻して欲しい

まさに!僕の気持ちを代弁してくれてありがとうございます(笑)。ライブで観客と一緒に歌うことを想定した曲作りを続ければ、必然的にこうした要素は排除されるのでしょうけど。そろそろ原点回帰があってもおかしくはないぞと、密かに期待しています。
【2008/09/01 18:20】 URL | むーじゅ #-[ 編集] | page top↑
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