スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
IN FLAMES (2008) / A SENSE OF PURPOSE
In Flames  1. The Mirror's Truth 2. Disconnected
  3. Sleepless Again 4. Alias
  5. I'm the Highway 6. Delight and Angers
  7. Move Through Me
  8. The Chosen Pessimist
  9. Sober and Irrelevant
 10. Condemned 11. Drenched In Fear
 12. March To The Shore
 
 13. Eraser 14. Tilt 15. Abnegation

IN FLAMES待望の新作。5th「CLAYMAN」が僕をこの世界へ導く呼び水の一枚となっただけに思い入れも深いバンドですが、またも彼らはやってくれました。

誤解を恐れずに言えば、これまでの作品の中でポップ・フィールドへのもっとも大胆な接近を果たした一枚。僕は残念ながら名高き2nd「THE JESTER RACE」のみ未聴だが、あれが本作よりもポップってことはなかろう。一聴してずいぶんとまろやかだなあと思ったのはこの丸みを帯びた音作りのせいかな。確かに前作「COME CLARITY」のほうがザクザクとしたメタリックさが前面に押し出されていたような気もする。耳聡い諸兄には賛否両論あるかもしれない。「CLAYMAN」大好きっ子の僕にはあの頃の北欧的な瑞々しいギター・サウンドが戻ってきたような気がしてむしろプラス。そしてあの頃には殆ど感じられなかった鮮やかな色彩感覚がすべての曲をカラフルに染め上げていて素晴らしい。これこそがいま現在のIN FLAMESの圧倒的な実力だ。

かつて“Embody The Invisible”、“Zombie Inc.”や“Bullet Ride”などで示された、聴いていて血が沸騰&逆流するようなあの熱気溢れる感覚を懐かしく思わないこともないが、本作の洗練されたミッド・チューンの数々にはそれらに匹敵しうる深い情が込められており、ここに来て6th「REROUTE TO REMAIN」以降の試行錯誤が完全に実を結びつつあると感じた。アコギのアレンジが涙を誘う“Alias”(歌詞も好きだ!)、名曲“Cloud Connected”以降に顕著な弾むリズム作りにも非凡さを示す“Move Through Me”、そしてアルバムの明確な線引きとしても機能している壮大な“The Chosen Pessimist”などを聴けば分かるように、曲作りの上手さはHR/HM界全体を見渡しても飛び抜けた才を示している。僕は完全に後追いだが、1st「LUNAR STRAIN」の頃から追いかけている古参のファンの中に、彼らがここまでスケールの大きいメタルを奏でることになると予想した人は果たしてどれだけ居ただろう。

それと面白いのが、「REROUTE~」以降のスピード・ソングが明らかにSLAYER型の即効性を追求していること。本作で言えば“Disconnected”、あるいは“Sober And Irrelevant”なんかはズバリ。これにナヨなサビメロを組み合わせたスタイルはもはや唯一無二で、独特の引っかかりある疾走感に耳が惹かれっぱなしになる。昔のようなMAIDEN譲りの勇壮なハーモニー・ギターが減じたのはやや寂しくあれど、激烈/ナヨの対比をより明確にする方法論としてはこれも正解かと。

と言いつつ、ギターが叙情性全開の“Sleepless Again”やリフの繊細な重ね方に心奪われる“Drenched In Fear”などを聴けば、独特の欧州的メロディ・センスの泉がまったく枯れていないことにも気づかされる。本作では前作以上にGの2人がメロウな旋律を意識しているようで、彼らに憧れる血気盛んなアメリカ勢が追いつこうとしても「いや~、それは無理だろうな」と思わせる絶対的なアドヴァンテージを感じずにはいられない。どんなに音楽性が変化しようと断固として存在する欧州人のDNAが、僕のような保守的な聴き手にも強い安心感を与えてくれる。

ナヨナヨ書いているので誤解されないようにフォローしとくが、これはいい意味で、ですよ。IN FLAMESの急激なモダン化の要因(一部の人からすれば元凶?)と思われるアンダース・フリーデンの軟体動物的なヴォーカリゼーションの振幅の大きさなくしてもはやこのバンドは語れない。破壊衝動に満ち溢れた無政府主義者の高笑いから、すべてを諦めたかのような引きこもり少年の心の闇まで…まあこれはあくまでもイメージだけど、あらゆる役柄を苦もなく演じ分ける一流の役者のような存在感だ。どこぞの人気バンドの女性Voさんにもこの柔軟さを見習って欲しいもの。

ボーナス曲も佳曲揃いで嬉しい。特に中期に戻ったかのごとき激烈美麗な“Eraser”は◎。

ということで、この「A SENSE OF PURPOSE」は、前世紀に彼らを形容していた「メロデス」なる冠が一切無用の、21世紀型王道ヘヴィ・メタルの雄としての貫禄を示した一枚。歌唱・演奏・楽曲、そのすべてが両極端の悩ましい表情を浮かべては消え、凝固したのちにすぐさま霧散解消し、聴き手の目を眩ますかのごとく色とりどりに荒れ狂う。。。彼らに熱さを求める向きには敬遠されるかもしれないが、冷ややかな味わい深さという点では前作さえ凌ぐ。「二度と同じ作品は作らない」挑戦者魂と高い完成度の両立、やはりIN FLAMESは別格だ。お見事です。


テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

【2008/04/08 21:15】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(5) | page top↑
<<先日の買い物 (NOCTURNAL RITES etc...) | ホーム | 先日の買い物 (IN FLAMES & NOVEMBRE)>>
コメント
概ねレビューには同感です。

>THE JESTER RACE
>あれが本作よりもポップ
いい意味でアングラなメロデスですよ。メロデスの本流を行く傑作です。
ピーター・イワースがB誌でTHE JESTER RACEのスタイルに戻れという一部のファンの声に「“魂を売る”というのは、古くからのファンを喜ばせるためだけに『THE JESTER RACE』のようなアルバムをもう一度作ることさ。」と言っていましたね。バンドの成長と立ち位置がわかっている発言だと思います。

>女性Voさんにもこの柔軟さを見習って欲しいもの。
姉さんファンとしてはこの意見は納得いきません(笑)。彼女はACCEPTのウドのように一本調子に歌うのが個性となっているからあれでいいんですよ。

>メタルを奏でることになると予想
世界レベルになるとは予想できませんでしたね。また、IN FLAMESがヌーメタ一辺倒になっていたアメリカにメロディ復活の流れを起こすとは思いもしませんでした。

>彼らに憧れる血気盛んなアメリカ勢
メタルコアは嫌いじゃないのですが、やっぱりIN FLAMESフォロワーから抜け出せていないバンドが多い。A7X、TRIVIUMがメタルコアを捨てて普遍的な80年代メタル回帰を選択したのは賢明でしょう。

IN FLAMESはよくアメリカ進出ためにひよったと言われがちなバンドなので、強引にB!誌のChildren of bodom新作クロスレビューの話題に繋げます。
もうチルボド新作のクロスレビューは読まれたかと思いますが、羽田幸一氏が新作を酷評しています。
チルボドはマイスペで新作収録曲を全て視聴できるようにしているそうですが、まだ僕は未聴です。未聴のままで言いますが、僕は彼の酷評もIN FLAMESはアメリカウケを狙っているという批判と同根のような気がしました。
プロがアレキシの「ロシアのバンドに聞こえなければいい」という発言に「感性が貧しい」と批評してはいけないと言いたいのではないのです。ヨーロッパらしさを捨ててアメリカウケを狙っていると批判するのはありでしょう。
ただ、IN FLAMES、ARCH ENEMY、Childen of Bodomのようにヨーロッパ各国のチャートで上位になり、アメリカでもファンがつき始めたバンドはヨーロッパのドメスティックなバンドと立ち位置は違うのではないでしょうか。チルボドがイギリスでやったライブレポートの写真を見ました?2000~3000人クラスの箱が超満員ですよ。あの写真はイギリスではメタルに観客が戻ってきている証拠の一つですが、彼らもIN FLAMESのようにドメスティックなバンドを抜け出してしまったんですよ。チルボドは「HATE CREW DEATHROLL」で世界的に知られるようになりましたから、あのアルバムを叩き台にしていろんな要素をいれて進化させるのは当然でしょう。だからHATE CREW以前のネオクラ+メロデス時代に戻れないのです。たぶんアレキシ、ヤンネの暴言はそれを自覚した上での発言でしょう。
藤木さんはよくヒットを狙ってモダンに逃げたヨーロッパのバンドを酷評しますが、チルボドとIN FLAMESはそういうバンドとはまず意識が違うんじゃないか。だってIN FLAMESもチルボドもメンバーは「ヨーロッパらしさは捨てたくない」という発言はしているから。IN FLAMES、チルボド、ARCH ENEMYは世界的に人気が拡大するチャンスを得たから、ヨーロッパらしさを捨てずEU圏以上の観衆に聞いてもらうよう腐心しているわけです。ヨーロッパのドメスティックな人気に支えられたメロディック・バンドとは違うのです(ドメスティックが駄目だと否定したいのではない)。羽田氏の酷評はそういう事情を踏まえてのものなのか気になります。
こういう問題はこれからメロデスというジャンル以外の他のヨーロッパバンドでも起こりそうな気がします。LORDI、NIGHTWISHといったバンドも人気を世界的に拡大できる可能性がでてきていますから。
【2008/04/11 00:17】 URL | 通りすが郎 #/5Bg5sjM[ 編集] | page top↑
拙レビューに目を通していただいたようで、毎度どうもありがとうございます。

>THE JESTER RACE
これがいまだに見つからなくて。再発「SUBTERRANEAN」で聴いてメロメロになった“Dead Eternity”のデモなんかから判断すれば、どう考えても僕好みのアルバムなんでしょうね。ただその後の「WHORACLE」を¥480で手に入れた身からするとそれ以上のお金を出すのがなんか悔しくて…(笑)。こんなこと言ってたらなかなか聴けませんなー。

>彼女はACCEPTのウドのように
なるほど、それは面白い解釈です。ただ、僕は情けないと評されることも多かった前任者のネガティブ声や乗り遅れるリズムが好きだったので…(彼が最高の適任者だったかどうかはともかく)。以前もどこかで書きましたが、僕は彼女のあのスポーティで快活な、陰のまったくない雰囲気にどうも馴染めませんでねー。まあ僕のようなひねくれ者はもはや圧倒的少数派でしょうからどうぞお気になさらず。

>チルボド新作のクロスレビュー
ええ、僕も読みました。羽田さんもなかなか思い切ったことを書いたものですね。僕個人は、どうせクロス・レビューをするなら各人の意見がばっさりと分かれたほうがむしろ面白いと思っているクチなので、無責任にも大いに楽しませてもらいました。高校時代、友達に借りたすげえジャケのライブ盤「東京戦心」も含めて「ARE YOU DEAD YET?」までのアルバムには一応すべて耳を通しましたが、それでも正直COBに恋焦がれるほどのファンではないので、余計にこういうドライな見方になるのでしょう。

で、レビューの中身に関してですが、なるほど確かにアメリカ受け云々という文脈での批判のように読めますね。この羽田さんという方がどのような音楽嗜好を持っているのか未だに判然としないところがあるのではっきりとは言えませんが、おそらく欧州メタルに対して格別の思い入れをお持ちなんでしょう。編集長さんには彼とそれから土屋さんにもさっさと「今月のおすすめ」欄を持たせて欲しいところです。

僕はCOBにしても、あるいはIN FLAMESにしても、その音楽から欧州っぽさが無くなってしまうことを危惧したことが一度もありません。彼らが音を鳴らせば、それは自然と立ち昇る欧州の香りとともに吐き出されると思っているからです。また、“モダン化”すること自体は必ずしも“アメリカ化”あるいは“アメリカでの受け狙い”と同義ではないし、たとえば余計な装飾が減って聴きやすくなった「ARE YOU DEAD YET?」の路線がモダン化と言うのであれば、僕にとってそれは良いモダン化です。もちろんそれを悪いモダン化だと捉えた人々もたくさんいたでしょうし、概してメタル・バンドのモダン化というのは賛否両論を呼ぶものですよね。

ので、羽田さんのように「COBの魅力はネオクラを代表とした欧州的な音楽性に大きく拠っていたのに、それが減退しまくった前作と本作はつまらない!」という意見があっても当然です。いや、最近では「モダン化していくバンドの“成長”についていけないほうが負け犬だ」的な意見が幅をきかせているような気もするので、たとえ後ろ向きでも「絶対に昔のほうが面白かった!」と叫ぶ評者の存在こそむしろ貴重なんじゃないか、とさえ思えるのです。確かにレビュー自体は極端でしたが、彼の意見に同調する人、ここ日本には少なからず居るのではないかと推測しますが、どうでしょう?僕個人は、「売れる・売れないはともかく、音楽としてこれはどうなの?」というごく原始的な批判精神が感じられたこともあって、前述の通り楽しく読ませてもらいました。大クロスで「つまらないものはつまらない」と言い切ったレビューを見るのは久々で、思わず「うふふ」と笑っちゃいましたねー。ホントに性格がよろしくないんです(笑)。

真面目な話、「COBは他のドメスティックなバンドとは立ち位置が違うのだから」とか何とかっていうのは音楽の聴き手には元来無用の二次的・三次的な情報だと思うんです。だから、単純に心に響くか響かないか、そういう判断基準のレビューがあってもいいと思います。僕もその作品が売れるかどうかは度外視して聴くタイプのリスナーですからなおのこと。「モダン化にはこれこれこういう理由があって云々」と諭されても「はあ、そいつはどうも」ってなもんで。

おまけに。「ARE YOU~?」には肯定的な僕ですが、かつて自分たちが入れ込んでいた音楽を、現在の感性のみに照らし合わせて後出しジャンケンであからさまに扱き下ろしてみせるのが決してスマートなやり方だとは思いません。羽田さんが本当に批判したかったのはもしかしたらその点なのかもしれませんね。しかし、発言の主であるアレキシ&ヤンネが、その、ほら、ああいう非常に面白い人たちなので…(笑)。

相変わらずの乱文になりましたが、とにかくCOBの新作、メタル界のためを思えば大いに売れて欲しいなとは思います。おそらく僕は買いませんけど(笑)。
【2008/04/11 12:46】 URL | むーじゅ #-[ 編集] | page top↑
熱がこもった長文ありがとうございます。

>ここ日本には少なからず居るのでは
>ないかと推測しますが、どうでしょう?
IN FLAMESでも多いのですから、チルボドもそういう声は多いと思いますよ。でも、僕は違和感を感じましたね。だからといって、何度も言いますがそういう批評がよくないというわけではないですよ。

>音楽の聴き手には元来無用の
>二次的・三次的な情報
成る程。でも、長いこと聞き続けてくるとバンドの立ち位置というのが見えてくるものですよ。だけど、聞き手としてそういうのを除外して批評するのもありでしょう。

>おそらく僕は買いませんけど(笑)。
それは残念ですね。
今日買いましたが、一聴した限りでは凄い傑作でしたよ。メガデス、スレイヤーのいいところをチルボドに取り入れたような音楽でした。ますます羽田さんの批評には違和感を感じました。はい。
【2008/04/11 21:05】 URL | 通りすが郎 #/5Bg5sjM[ 編集] | page top↑
IN FLAMESの新作がBillboardアルバムチャート28位です。トップ40内にランクインです。アメリカでも人気者になり始めたようです。おめでとう。
【2008/04/12 14:21】 URL | 通りすが郎 #-[ 編集] | page top↑
おお、それは凄い!どうもありがとうございます!って僕がお礼を言うのも何だか変ですね(笑)。確か前作は50位くらいでしたっけ。

そしてグッド・タイミングで同時にPCの前に座っていたってのも凄いです!(笑)コメントが増えていてビックリしました。

以上、学校の図書館からむーじゅでしたー(笑)。
【2008/04/12 14:29】 URL | むーじゅ #-[ 編集] | page top↑
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://mooju.blog121.fc2.com/tb.php/61-327c6bfd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。