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GRAND ILLUSION (2004) / ORDINARY JUST WON'T DO
GRAND ILLUSION 3rd 1. Devil's Advocate
 2. The Best Is Yet To Come
 3. Gone For Good
 4. Heaven Or Hell
 5. New Beginning
 6. 1982
 7. Pull You Down
 8. Love Lies Buried
 9. Back To Yesterday
10. And This Is Why
                        11. When You Were Mine
                        12. Forever And For Always  
                        13. On Time


スウェーデンがもっと胸を張って誇るべきメロディアス・ハード・バンド、GRAND ILLUSIONの3rd。前作2ndを絶賛したファンの約4割をガッカリさせたとか・させてないとか言われる問題作扱いの一枚(笑)。最初に書いとくと、2004年度の僕のベスト・アルバム。
見た感じおじさま揃いなことからも分かるように結構下積み期間が長い彼らは(以前はホーン・セクションを含んだバンドだったとか。そのころの音源は未聴)、2001年の1st「THE BOOK OF HOW TO MAKE IT」でB!誌・藤木さんの大絶賛レビューとともに日本に迎えられた。まあ、あれはどう考えても持ち上げすぎだったと思うけど。1stの時点でこのバンドを見限った人も結構居たかと思うとね。ともあれ、この作品にも“Accidentally On Purpose”や“The Desperate Man’s Plea”(日本盤ボーナス)などなど、GRAND ILLUSIONならではの佳曲はたくさん含まれているのでメロハー属性の持ち主なら一聴の価値はある。が、それは2ndアルバムに耳を通した後からでも遅くはない。

その2nd「VIEW FROM THE TOP」の素晴らしさについてはいまさら僕ごときが語るほどのこともないが一応。前作と比べて、アレンジが劇的になったゆえのスリル感4割増(オープニングの“I Refuse”には聴いた誰もが少なからず「おおっ!」と息を呑むはず)、それにともなう透明感3割増、そして何よりメロディが充実したがゆえの感動が6割増(以上、すべて当社比/笑)といいことずくめ。これを一度聴いてしまうと1stで満足するのは難しくなる。好き者は前半の波状攻撃でたぶん失神するだろうが、終盤に配された名曲“Blinded”も聴き逃せない。この作品の音楽的成功によって、彼らは当初のほめ殺しとも言える絶賛に耐えうる地力を持ったバンドとして認知され、当時のメロハー界の頂点に上り詰めたのだと思う。

さあ、そしていよいよ核心の3rdだ。またわが心の師匠(笑)藤木さんを引き合いに出して申し訳ないが、彼はこれを2004年度のベスト10どころかその候補作品としても名前を挙げていなかった(前2作はそれぞれ2位・1位だった)。あの人の感性を北欧マニア全般に当てはめるのは問題もあろうが、しかし、各所での2ndの神格化と3rdへの意外なほどの関心のなさを見ると、多くの人が藤木さん的なGRAND ILLUSION観を持っているのではと思えてならないのだ。3rdが問題視されたのは、北欧的な哀愁の後退?あるいは叙情性の希薄化?それとも単にメロディそのものの魅力が減じたから??

しかしそれが仮に多数派の意見だとしても僕の見解はまったく異なる。こんなことを書くと怒られてしまいそうだが、ここで触れる「ORDINARY JUST WON’T DO」はメロハー・マニアの方々だけに独占させておくのはもったいないくらい(それを言うなら2ndもそうだが)、煌びやかなHR的エネルギーに溢れかえった彼らの真の最高傑作だと思うのだ。むしろ前作にまったく思い入れのない人がポンと聴いたほうが素直にこの作品の凄みを感じられる可能性が高いのではないか、とさえ考えてしまう。

確かに産業ロック然とした分厚く壮麗な音作りがなされた過去2作からすればプロダクションはより生々しくなっている。キーボードも前作ほどには目立たなくなった。その結果、ギターの音が強調されロックっぽさを前面に押し出したこのシフトチェンジが、日本のマニアに聴いてもらうことにしか生きる道を見出せなかった哀れなこのバンドがとるべき針路として本当に正しかったのかどうかは分からない。売り上げ堅持・微増を目指すなら前作路線をそのまま突き進んでもよかったのだ。

しかし、僕個人はこの変化をあっさりと受け入れることが出来た。なぜならこのGRAND ILLUSION、実はベタな「泣き」で勝負するタイプではなく、むしろ聴いているうちに空の彼方へと意識を持っていかれてしまうような強烈な爽快感こそが肝の音楽性であり、そのバンド特性から考えればブレインのアンダース・リドホルムのロック・フィーリング増の選択にも一理どころか二理も三理もある話だと思ったからだ。

その選択を可能にしたのは超絶・スーパー・グレイト・ハイトーン・シンガー(笑)、ピーター・スンデルの得がたい個性と圧倒的な実力があってこそ。この人、本っ当に凄い。あまりに凄すぎて「うるせえよ」と思われる諸兄も多かろうが、彼の鮮烈な声を抜きにしてこのバンドは語り得ない。僕はどちらかといえばハイトーン系よりも深みのある中低域を持つ渋めの歌い手のほうが好みなのだが、彼だけは別枠。

そしてこれが重要なのだが、ロック度アップに加えて楽曲の幅が広がったことにも影響されてか、僕には過去2作と比べて彼の歌唱がずっと生き生きと、躍動感が倍増しになって聴こえるのだ。ピーター独特の「曲の途中での超人的ギア・チェンジ(=もとから高いキーを難なくさらに上げてみせる)」の恐ろしさが僕に鳥肌を立たせる。オープニングにふさわしい名曲“Devil’s Advocate”、そしてアルバム中もっとも気に入った珠玉の哀愁チューン“When You Were Mine”(女々しい歌詞も最高!)などはその最たるものだ。

このエネルギッシュな路線に新加入ギタリスト、若きオーラ・アフ・トランペの華麗かつ構築美あふれるプレイがピタリとはまったのも大きい。特にパワー・バラード“Heaven Or Hell”における泣きのソロはこの年に耳にした中で、ベストだ。ツワモノ揃いのおっさんたちになんら引けをとらない実に味わい深い演奏はそれまでにないハード・ロックらしい山場を作り上げることに大貢献している。

最近はデーモン小暮閣下との仕事でおなじみ(笑)、アンダースのアレンジ・センスも冴えに冴え渡っている。ポップからハード、哀愁から爽快まで、その楽曲の魅力を120%以上引き出すその手腕ははっきり言って天才的。楽曲構成もありきたりなハード・ポップ・バンドのそれとは一線を画した実に巧妙な仕掛けたっぷりで聴き手を飽きさせない。

それと地味ながらドラムの録音が非常に素晴らしいと思う。これもまた躍動感ある作風に一役買っている。

アルバムの流れに関しては、ボーナス扱いの弾むような佳曲“Forever And For Always”を爽やかな余韻を残すラスト・チューン“On Time”の前に挿入したのが技あり。これによって“Back To Yesterday”からそろそろ終わりを告げ始めるアルバムの流れが最高の形で引き締まる。こういう気の利いた配慮をしてくれるのも僕好みだ。もはやわざわざ書くのも馬鹿馬鹿しいが、捨て曲は見当たらない。こういうのをプロの仕事と呼ぶのだろう。

ということで、もう一度記すが個人的にはこの3rdがGRAND ILLUSIONの最高傑作。「メロハー・マニア向けのバンドだから私にゃ関係ねえ」という忌避・偏見なく、この鮮やかな音像が眩しい劇的HRの逸品にぜひぜひ触れていただきたい。「イイ!」と思うかどうかはともかく、少なくとも「凄い!」と感じることは請け合い。その点だけは保証します。

その後、GRAND ILLUSIONは惜しくも解散。現在バンマスのアンダースはオーラとともに新たなプロジェクトTHE CODEを動かしているが、あんなのはとっととほっぽり出して早々にGRAND ILLUSIONを復活させて欲しい(ファンの方すみません)。ピーターの甘ったれた姿勢が気に食わないなら竹刀を使ってでも叩き直しちまえ、アンダース!(笑)

2人ともお互いにとって最高のパートナーが誰なのか、もうわかっているよね…?


テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

【2008/03/21 18:14】 | HR/HM 旧譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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