NEW TROLLS (2007) / CONCERTO GROSSO TRILOGY LIVE (DVD)
new trolls  1. Nella Sala Vuota  2. Allegro  3. Adagio (Shadows)
 4. Fireworks  5. Cadenza (Andante Con Moto)  
 6. My Shadow In The Dark (Per Jimy Hendrix)
 7. Primo Tempo: Vivace
  8. Secondo Tempo: Andante (Most Dear Lady)
 9. Terzo Tempo: Moderato (Fare You Well Dove) 
 10. Quiet Seas 11. Le Roy Soleil
 12. The Knowledge (Overture)
 13. Dance With The Rain (Ballata) 14. Future Joy (Scherzo)
 15. High Education (Cello Cadenza)
 16. The Seventh Season (Ostinato)
                  17. The Ray Of White Light (Rondo)
                  18. One Magic Night (Larghetto)
                  19. Barocco‘N’Roll (Allegro Brioso)
                  20. Intro And Canone 21. Testament Of Time (Andante)
                  22. To Love The Land (Adagio)
                  23. The Season Of Hope (Piano Preludio)
                  24. Simply Angels (Suite) 25. In St. Peter's Day
イタリアのNEW TROLLSが1971年と76年に発表したいわゆるコンチェルト・グロッソ2部作「CONCERTO GROSSO N.1/N.2」を聴いたのは今から3ヶ月前。僕は気品あふれる優雅で情熱的なプログレッシブ・ロックに完全に心奪われた。彼らは昨年、約30年ぶりにコンチェルト・グロッソの3枚目を発表し(残念ながら僕は未聴)、バンドの健在を印象付けている。この音楽は映像で見たほうが素晴らしかろうとDVD購入を決意。この映像の売りは通常のバンドに加え、オーケストラ・サン・マルコの面々をバックに従えている点。日本でもこうした形態で2回ほど来日公演に来たようだ。

まあ予想通りではあったが、この内容が実に実に素晴らしいのだ。音楽映像を見て涙を流したのはDREAM THEATERの「METROPOLIS PT.2」の再現ライブで“The Spirit Carries On”の壮絶なゴスペルを聴いて以来のこと。全編を通して感動的な音楽に溢れているが、ここでは3部それぞれに散りばめられたハイライト・シーンを紹介したい。

「CONCERTO GROSSO N.1」

レコードでいうところのB面に当たる20分超の大作“Nella sala vuota”の短縮ヴァージョンを1曲目に持ってきている。この曲をライブ全体のプロローグにしてしまうという大胆さが技あり。正直、音だけで聴くとやや退屈な側面もあるこの曲だが、美麗な映像が伴うとまた違った感想が浮かんでこようというもの。フランチェスコ・ベッリアのベースのつま弾きから音楽が少しずつ、だが確実に立ち上がっていく様は、堅固な要塞の建築過程を早送り映像で見るような(?)快感を覚える。ギター、ドラム、そしてキーボードの順に音が重ねられ、あれよあれよの展開に心地よく翻弄されていた次の瞬間、ヴィットリオの合図でバンド・メンバー7人全員による美しいハーモニー・コーラスが!

鳥肌、ゾクッ。

……美しい。アルバム通り、いやそれ以上の完成度のハーモニーだ。それでいてコーラス専任者がいるわけではなく皆それぞれに楽器を手にしているのだから凄い(ドラムのおっちゃん、アルフィオ・ヴィタンツァもいい声してる!)。ただし、こうして「美しさ」の側面ばかり強調すると誤解されるかもしれないが、彼らの音楽はただ美麗なだけの「お芸術ロック」ではない。今回は特に若くて腕も確かな弦楽器隊のアグレッシブな演奏がライブ全体に躍動感をもたらしていることを特筆しておきたい。彼らをステージ上では前面に押し出しつつ、ヴィットリオともうひとりのNEW TROLLSの顔であるニコ・ディ・パーロ(Key)が後ろに控えて全体を引き締める、この若さと老練さの融合具合が本当に絶妙なのだ。

小インストの“Allegro”を挟み、バイオリン奏者ロベルト・イッツォが悲しくも美しい希代の名メロディをゆったりと奏でだす。待ってましたの“Adagio(Shadows)”だ。

鳥肌、ゾクゾクッ。そして、不覚にも涙。

ここがある意味では最大のハイライトだ。この曲を聴くためだけにDVDを手に入れても損はしない、と言いたくなる。今まで僕が聞いた中でも最高クラスのメロディ。僕も普段良く使う「哀メロ」とか「美メロ」といった表現は卑近すぎて、軽薄すぎて、恐れ多くてとても使えやしない。まさに文化遺産レベルの1曲。曲の最後に用意された凄腕ギタリストのアンドレア・マッダローネとロベルトの「ギターvsバイオリン・バトル!」の趣向も目と耳に楽しい。

このあとの3曲は基本的に“Adagio”と同じテーマ・メロディを違ったアレンジで聞かせるという趣。“To die, to sleep, maybe to dream…”のフレーズがもう頭から離れなくなりますよ。

「CONCERTO GROSSO N.2」

ここでは“Adagio”に負けず劣らずの悲哀メロディを持つ“Andante (Most Dear Lady)”をぜひ聴いて欲しい。いや、彼らの音楽の場合は「メロディ」というよりもむしろ「旋律」あるいは「調べ」のほうが語感的にしっくりくる気もするな。この曲もまた文化遺産レベルだ。あーあ、また涙が零れ出してしまった。。。これほど切ない別離の歌がほかに存在するのだろうか、なんて思ったりして。

そしてNEW TROLLSのプログレ・バンドとしての実力の高さをまざまざと見せ付けてくれる“Le Roi Soleil”(邦題は「太陽王」)がもう一つの聴き所だ。みんな上手い上手い。思わず笑っちゃう。この曲でのコーラス・ワークは圧巻至極。

「CONCERTO GROSSO THE SEVEN SEASONS」

先述の通り、僕はこの作品をCDでは未聴のままDVDを見たのだが、いやはや、初めて聴いてもその曲の素晴らしさが十二分に伝わってくる。まあ厳しいことを言えば、“Adagio”や“Andante”ほどの超名曲はこの中にはないけれど、あんな代物そうそうポンポンと作られても困るからこれでいいのだ。少なくとも「CONCERO GROSSO」の名に泥を塗るような作品にあらず、その系譜の中に名を刻むに相応しい出来ではないかと。

そんな「SEVEN SEASONS」のハイライトは、ずばり、“High Education(Cello Cadenza)”をイントロにした“The Seventh Season(Ostinato)”。何がそんなに凄いかって、この曲までずっとオーケストラの指揮を執っていた“マエストロ”ステファーノ・カブレラがチェロ奏者としてステージの真ん中に堂々と登場し、ひとりでスリリングな演奏をおっ始めてしまうのだ。またもや鳥肌が立ちましたよ。この人がまたムーディな照明に映えるかなりの男前さんなんだなあ。男の僕でも見惚れてしまうくらいだから、女の子なんかはもうほぼ間違いなく濡れますね。断言します。

このチェロ・イントロにバンドとオーケストラが演奏を重ねて“The Seventh Season”へ。この曲がかなり重層的でドラマティック。もう言葉は要りません。僕はただただこの構築美に身を委ねていたい。

このあとはもう贅沢なアウトロのようなもの。最後のボーナス曲までじっくりとワインでも飲みながらご堪能ください。


CDで聴いた「N.1」「N.2」が録音された時期相応の古めかしさを宿しているのも事実で、だからこそこうして最新の音と演奏で再びこの音楽を蘇らせてくれたこと、そして僕がこの時代に生まれ、幸運にも「CONCERTO GROSSO」に出会いこうして至上の喜びを味わえたことはまさに僥倖と言うほかない。それもこれもヴィットリオとニコの看板コンビが往時の実力をそのまま保持していた、いやさらにそれを熟成させアップデートさせてくれていたことに因るだろう。彼らの手足となって最高の仕事をしてくれたバンド・メンバー&オーケストラの皆さんも含めて心の底から感謝したい。

僕が30年後にいまと変わらずHR/HMを聴いているかどうかは率直に言って分からないが、このNEW TROLLSの音楽とは文字通り人生の友としてこれからもずっと末永くお付き合いを続けていくことになるだろうと思う。いくらか大げさに聞こえるかもしれないが僕は結構本気でそう思っている。

本当に奇跡的に美しい音楽を躍動感たっぷりのプロフェッショナルな演奏で楽しみたい貴方、騙されたと思って一度でいいからご覧になってみてください。映像のみの通常盤でいいと思います。お願いです。

そうそう、オーケストラのおねえさんたちもベッピンさんぞろいですよ!殆ど真剣な表情を崩さない彼女たちがたま~に「ふふっ」て微笑んでくれるところがまた素敵なんだなあ。ね、購入意欲そそるでしょ??(笑)

テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

【2008/02/18 20:12】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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