Sing Like Talking (1993) / Encounter
encounter.jpg1. encounter I 2. My Desire ~冬を越えて~
3. Fake It
4. In The Rain
5. 今日の行方
6. encounter II 7. 離れずに暖めて
8. Restless ~君の許へ~
9. Givin’ Me All
10. Maybe
11. encouner Ⅲ 12. 止まらぬ想い
13. Our Way To Love


encounter = [noun] a meeting, especially one that is sudden, unexpected
Sing Like Talking(以下SLT)の音楽を知るきっかけはブックオフでの投げ売りセールで拾ったこの6thアルバム。確か100円もしなかったはず。うーん、出会いはまさにエンカウンター。

偶然に彼らを知った去年の秋から現在に至るまでずっと、SLTの音楽は僕の音遊生活にとって不可欠の存在になっている。つい先日には中野サンプラザのライブにまで勢いで出張してしまった。それくらい自分の感性のツボにはまる「人生のサウンドトラック」をここにきて発見できた喜びは大きい。

彼らが初期に示していた音楽性は、ざっくり言えば洋楽志向のいわゆるAOR。本作の前に発表された5thアルバム「Humanity」(1992)では、例えばTOTO、CHICAGO、クリストファー・クロスあたりをふと思わせる分厚い洗練美をこれでもかとばかりに追求していて、初めて聴く人は「日本にこんな人たちがいたのか!」とビックリすること請け合い。それでいて単なる物真似には陥っておらず、良い意味での日本人らしいフィーリングを随所に見つけられるのが嬉しい。洋邦を問わず美しい音楽が好きな方なら絶対必聴の一枚なのでぜひ手を伸ばしてみて欲しい。AIRPLAY某曲の翻案(?)にして、本家をゆうに超越してしまったとさえ言いたくなる“With You”を聴くたびに胸が焦がれる。そこから思わず体が動くファンキーな“Rize”に持っていく強引さもたまらない…。

閑話休題。その「Humanity」からわずか1年で完成したのが本作。特定の路線を極めた「Humanity」よりも音楽性は拡散を始めており、その傾向は現段階で最新のフルアルバム「Befriend」(2013)に至るまでゆるやかに続いていると言っていい。「拡散」と書くとネガティブに受け取る向きもあろうが、音楽マニアのメンバー3人(佐藤竹善・藤田千章・西村智彦)の素養、あるいは製作当時の音楽的関心がアルバムごとに色とりどりに反映されていて、どの作品も聴き応え十分。その中でも本作は、「ジャンルとしてのAOR」から「SLTオリジナルのAOR」へとさらなる音楽的飛躍を遂げるために必要不可欠な一枚だったはず。ファンク・カントリー・ジャズ・フュージョンetc…それらを貪欲に飲み込み、咀嚼・消化して、実にサラリとオトナの余裕で聞かせてしまう、天晴れとしか言いようがない仕事ぶり。ちなみに「知る人ぞ知る」と勝手に言いたくなるSLTだが、何と本作と次回作の名盤7th「togetherness」(1994)はオリコン初登場1位を獲得しているのであった。僕より年上の方のほうが認知度の高いバンドかも?

本作にも「Humanity」路線の曲が要所に残されており、アコギのインストに導かれて飛び出す必殺のオープニング曲“My Desire ~冬を越えて~”は完全なTOTOオマージュ。それもそのはず、この曲は製作期間中に急逝したジェフ・ポーカロ(Ds)に捧げられているのだ(驚くべきことに、ジェフはネイザン・イースト(B / FOURPLAY)とともにSLTのデビューライブに参加している)。中盤を支える“今日の行方”も同系統で、ベスト盤未選出のこちらは隠れた名曲というべき存在かもしれない。

中盤にはもう1曲、“離れずに暖めて”という大・大・大名曲が配されている。何かを予感させるイントロから一転、この味わい深い歌謡曲的なサビメロの破壊力はどういうことか。ことばを失う。

さらに本作が優れているのは、最終盤になってむしろテンションが上がる巧みなアルバム構成。“I say here I am”の囁きに蕩けそうになる“止まらぬ想い”から、ブリッジ~サビメロへの展開美に震えが来る本作随一の切迫感を持った(ハード)ロック曲“Our Way to Love”で締める流れには完敗。後者をこの間のライブで聴いたときには感動で鳥肌が立った。

そして言うまでもなく、佐藤竹善という圧倒的な「声」を擁することがSLT最大の特徴にして武器であることは間違いない。来年で55歳になるとはとても信じられない驚異の歌唱力・アドリブ力を先だって目の当たりにしてきたが…どれだけの賛辞を送っても追いつかない。こればっかりは聴いてもらわないとピンと来ないだろうから、下に何曲か貼っておこう。以上、久々の長文でございました。


”風に抱かれて” from 「togetherness」(1994)


”心の扉” from 「Discovery」(1995)


”Rise” from 「Humanity」(1992)  (さわりだけ)


”6月の青い空” 最新シングル 2017年のベストチューン候補・その2


【2017/08/22 22:20】 | Sing Like Talking | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
| ホーム | 君に・・・を譲りたい。>>
コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://mooju.blog121.fc2.com/tb.php/321-bee619a6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |