NIGHTWISH (2012) / IMAGINAERUM
nightwish2012.jpg 1. Taikatalvi 2. Storytime
 3. Ghost River 4. Slow, Love, Slow
 5. I Want My Tears Back
 6. Scaretale
 7. Arabesque 8. Turn Loose The Mermaids
 9. Rest Calm
 10. The Crow, The Owl And The Dove
 11. Last Ride Of The Day
 12. Song Of Myself
 13. Imaginaerum


新譜レビュー2枚目は、フィンランドの音楽国宝NIGHTWISH待望の7th。

かつての看板シンガーであるターヤ様の脱退を受けて、80’s Heartふう北欧ハードポップ・バンドALYSON AVENUEという通好みの経歴を持つアネット・オルツォンが加盟、バンドとしての一大転機となったのが前作「DARK PASSION PLAY」(余談ながら拙ブログの記念すべき初レビューはこの作品でした⇒こちら)。聴き手を圧せんとする神々しいまでのオーラで名声を博した前任者と異なり、アネットは歌唱力・存在感ともにそれこそフツーの歌い手ながら、その親しみやすい声質と可憐なポップセンスが従来の世界観と見事にマッチして、NIGHTWISHはさらなる大衆性の強化に成功。後任にあえてアネットのような歌い手を迎えた鬼才ツォーマス・ホロパイネンの慧眼に感服しきりの大傑作を届けてくれたと僕は思っている。

あれから4年以上。待ちに待った本作「IMAGINAERUM」の音楽性は前作の路線をおおむね継承するものだが、ある種のコンセプトアルバムということでそのサントラ的な壮大さにますますの磨きがかけられている。前作と比べてメロディ/アレンジのケルト色がやや強くなったように感じられるが、それもまた良し。“Storytime”、“I Want My Tears Back”、“Last Ride Of The Day”(エンプ・ヴオリネンの勢い溢れるGソロがカッコいい!ていうかGソロ自体がレア!/笑)のようにキャッチーかつノリの良い曲は瞬時にお気に入りになった。同時にコンセプト作の効能か、もともとヴァラエティに富んでいた曲調もさらに幅広くなり、ツォーマスが「作曲家として今やりたいことは全部やった!」と誇らしげに叫んでいる姿が目に浮かぶよう。曲によってはメタルの「M」の字もなかったりするのだが、僕はそもそも彼らを狭義のメタルバンドとして認識していないのでまったく問題なし。ラウンジ・ミュージック調の“Slow, Love, Slow”なんかも僕は好きだ。

先述の通り、アネットの純粋な歌唱力そのものは前任者と比べるべくもないが、僕はなぜだかどうしても彼女の歌にこそ強く魅かれてしまう。ちょい邪悪なタッチで新境地を開いた“Scaretale”などを聴くと、彼女は性格俳優としての才にも恵まれていそう。その軽快な声は現代メタル界における「最強の合いの手Vo」と称したくなるマルコ・ヒエタラとの対比効果も抜群。ちなみにマルコの本作最高のファインプレイは、ただただ美しい非メタルな“The Crow, The Owl And The Dove”を提供してくれたこと。聴き手の血を沸騰させるような叫び声のカッコよさはもちろん、こんなふうに繊細に歌わせても実に絵になるんだよね、彼は。もはやマルコ抜きのNIGHTWISHなど考えられない。

作中で唯一気になる点があるとすれば、“Song Of Myself”後半の淡々とした語りがどう頑張って聴いても冗長なところだが、「まとめ」的な終曲“Imaginaerum”の感動を増幅するための助走パートと考えればまあよろしいでしょう。総じて前作に匹敵しうる一枚と言っていいと思います。いやあじっくり待った甲斐があったというものだ。



※ 最後に作品の出来とはまったく無関係な話ながら、国内盤のボーナスCDは「マルコが歌うデモ4曲!」という触れ込みで僕もそれを年が明けるまで楽しみにしていた。が、実際は本編同様にアネットが歌っているごくフツーのデモで、正直こいつは騙された感がないと言えば嘘になる(非難するとすれば相手は当然レコード会社だ)。いや、考えてみれば…マルコも確かに一部で歌ってはいるから完全なペテンでもないのか(笑)。やられたなあ。これからのご購入を検討中の諸兄はリーズナブルな輸入盤を選択して何ら問題ないと思います。参考までに。

テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

【2012/03/11 21:25】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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