新譜の小レビュー ×3 (NICKELBACK, DAUGHTRY, SIXX:A.M.)
DAUGHTRY (2011) / BREAK THE SPELL (deluxe edition)
NICKELBACK (2011) / HERE AND NOW
SIXX :A.M (2011) / THIS IS GONNA HURT


大晦日にモダンなアメリカン・ハードロックの大物たちを3枚。SIXX:A.M.は¥550くらいだったので思わず手が伸びた。あと2枚は合わせて¥2000くらい。

daughtrybreakthespell.jpg クリス・ドートリー(Vo)の名を冠したDAUGHTRYは順調にリリースを重ねてこれが3rd。アタマ3曲を聴けば分かるように、間違いなく前2作よりも楽曲の幅/間口を広げてきた。その多様化に難なく対応しているクリスの柔軟性にまずは拍手。シリアスな曲を歌ってもどこか軽やかな彼の美声を絶対的な軸に据えつつ、本作ではいわゆるNICKELBACK系からの明確な脱却を図り、そしてそれに成功した印象だ。その半面、聴感上のヘヴィさはますます希薄になり、ソフトな曲ではカントリー系ポップスへのさらなる接近(ぶっちゃけRASCAL FLATTS化)が進んでいるが、これくらいメロディの質が優れていれば個人的には何の問題もない。意外に聞こえるかもしれないけど、彼らの音楽にはカラリとした「泣き」が多分に含まれていて実はかなり日本人好みだと思うのよ。タイトル曲なんか最高。僕が買ったのはデラックス盤だが、ボーナス4曲にも一切の手抜き/妥協なし。もうネタバレになるけど、今回の3枚の中で一番のオススメは本作。


nickelbackhereandnow.jpg 前作「DARK HORSE」(レビューはこちら)は2000年代最初のディケイドを代表するレベルの大傑作だったといまでも思っているNICKELBACKだが…んー、率直に言ってちょっと期待しすぎたかな。マット・ラングと袂を分かった本作でもゴージャスな音像は最高級品だし、独特の切れ味で聴き手に鋭く迫る演奏もさすがのNICKELBACK印なのだが…どうも本作ではメロディの力がちょい弱まっていると思うんだよなあ。特にnotバラード・バンドである彼らの柱たるべきロック曲のメロディがもう一歩。落ち着いて振り返ってみれば、あまりにも“fun”な方向に思い切り良く突き抜けてしまった前作が異色だっただけで(“Something In Your Mouth”だの“S.E.X.”だの、性に目覚めたばかりの小6男子か!/笑)、もう少し聴き込めば感想も変わるかもしれない。本作でもNICKELBACKの王道は確かに貫かれているからね。B!誌のインタビューをぜひ参考にして欲しい“Lullaby”は流石に泣かせます。


sixxam.jpg そしてかのニッキー・シックスのサイドバンド、SIXX:A.M.に初トライ。僕は本家MOTLEY CRUEにほとんど思い入れはなく、押しも押されぬメインライターであるニッキーに対してもどっちかというと「OPERATION : MINDCRIME」でネタにされたジャンキーの人という印象が強い(失礼!)。かように不埒な僕がただ安いからと言う理由で手を出した本作は意外なお気に入りになりそう。MOTLEYのような華麗さやワルさ、猥雑さはほぼ皆無で、代わりに押し出された「洗練の中の激情」ぶりは30 SECONDS TO MARSあたりに近いかなあ。ここいらは策士ニッキーがしっかり差別化を図っているようだ。一発聴いただけでノレるタイトル曲を始めとしたキャッチーなロックソング、そして“Oh My God”を頂点とする美しいミッドテンポの二本立ては僕のような門外漢にもかなり美味しい。ニッキーだけでなく「A」と「M」の活躍もキラリ。DJアシュバって懐かしのBEAUTIFUL CREATURESの彼だよね?リズム・ソロともになかなか味わい深いギターを弾くなあ。ジェイムズ・マイケルの粘っこく震える歌唱も○。アルバム単位で見ても穴が極めて少ないし、これは拾い物だった。



今年の更新は当然ながらこれで締めになります。次回記事で最後の新譜3枚をレビューしたら、ひさびさに気合をいれて2011年ベストの選出に移りたいと思います。拙ブログにお越しくださった皆様に来年も小さな幸せがたくさん訪れますように。ありがとうございました。

テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

【2011/12/31 23:53】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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