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TEN (2011) / STORMWARNING
tenstormwarning.jpg 1. Endless Symphony
 2. Center Of My Universe
 3. Kingdom Come
 4. Book Of Secrets
 5. Stormwarning
 6. Invisible
 7. Love Song
 8. The Hourglass And The Landslide
 9. Destiny
 10. The Wave 11. The Darkness


もうそろそろベテランの域に差し掛かる英国のメロディック・ハードロック・バンドTENの新作はおよそ4年ぶり。今回のプロデューサ-は「Frontiers」御用達のワーカホリックさん、デニス・ワード(PINK CREAM 69)。

TENの作品に関して、僕はあまり評判のよろしくない2000年の「BABYLON」以外のオリジナルアルバムには耳を通している(余談ながら、あれだけB!誌で酷評されても手放さなかった熱心なファンが多いのか、あるいは流通量そのものが少なすぎるからか、僕はいまだに「BABYLON」の中古盤を一度も見たことがない)。僕は彼らの1stと2ndを90年代のハードロックを代表する大傑作と信じて高校時代の出会いからいままで飽きることなく溺愛しており(ちなみに1stのレビューはこちら)、従ってTENは自分の音楽遍歴を語る上でどうしても欠かせない非常に大切なバンドなのだ。

しかし2001年のモダンかつ物憂げな名作「FAR BEYOND THE WORLD」を第二のピークに、残念ながら僕の大好きなTENの音楽は停滞期に差し掛かっていると認識せざるを得なかった。特に前々作である「RETURN TO EVERMORE」は僕が聴いたカタログの中でもっともアルバム全体のメリハリに欠けた冗長な一枚で、僕はこのとき初めてHR/HM界屈指のソングライターであるゲイリー・ヒューズ(Vo)の才能の枯渇を疑ってしまったのだ。前作「THE TWILIGHT CHRONICLES」はそれに比べれば幾分メロディに冴えを取り戻した作風ながら、だらりと意味の薄い間延び感は完全には払拭されず、どうしても積極的に賛辞を贈るには至らなかった。

前置きが長くなったが本作。今回も全11曲で64分弱なのでスッキリと短い作品にはあらず、また決して捨て曲なしと断言は出来ないのだが、どうにも散漫な印象を残したここ2作とは明らかに異なり、アルバム全体をしっかりと貫く中心軸の存在が、つまりまずはとにかく良いメロディを作って聞かせようというごくシンプルな意図がはっきりと見えて好印象。それに加えて、4th「SPELLBOUND」以降にしばしば聞かれたケルティックなアレンジがほぼ排除されたのも、本作のまとまりの良さと無縁ではないはず。

一聴した段階では平坦に感じられるサビのメロディ展開が、実は絶妙なフックを生み出していることに気づくとこれがじわりと後を引く快感になる“Endless Symphony”から頭3曲の配置は、1stや2ndほどの分かりやすい「華」こそないものの、ゆったりとした叙情メロディを丁寧に聞かせてくれるTENらしさ全開でニッコリ。

「ややっ、あの頃のTENが戻ってきた!」と本気で嬉しくなってしまったのが、稀代の名曲である“After The Love Has Gone”の構成を思い起こさせるタイトル曲“Stormwarning”。そうそう、TENでしか聴けない特徴的なVoハーモニーの繊細な美しさを引き継ぎながら、ブリティッシュ・ハードロックらしい湿ったGリフで泣かせてくれる懐かしいこの感覚!サビメロの煮え切らなさも僕が愛するこれぞのゲイリー節。何なんでしょうね、ここまで限定された音域でここまで僕を魅了してやまない彼の声の魔力ってのは。

後半に入ってもメロディの質が低下しないのが本作の美点で、「哀」と「爽」のバランスが本作随一の“Love Song”から、泣きのGイントロの時点でもうごめんなさいと謝りたくなる“The Hourglass And The Landslide”の連発は静かに感動的。ゲスト参加ながら全編で叩いてくれた技巧派マーク・ゾンダー(Ds/FATES WARNING etc.)のキメ細やかな演奏が光るシリアスな“Destiny”を挟んで、ポール・ホドソンのKeyがオトナの爽やかさを演出する“The Wave”でしっとりと幕を閉じる。どこがサビメロなんだかよく分からない不思議な構成ながら、ポップな躍動感に満ちているボートラ“The Darkness”もいい感じ。

そして本作最大のポイントは、ずばりギタリストの交代劇。あまり僕好みの演奏を聞かせてくれなかった若きクリス・フランシスが脱退して、新たにスキンヘッドのニール・フレイザーなる人物がリードギターを任されているのだが、この選択がまったくもって120%の大正解。音の輪郭に丸みを帯びた柔らかな音色で緩急自在/縦横無尽に叙情メロディを紡ぎだす、まさにTENの音楽性にドンピシャのタイプで、特に切ない情感あふれるブルージーなオブリガートの入れ方が実に素晴らしい。先述の“Love Song”で聞かれる長編ソロも秀逸。この路線で数作聞かせてくれれば、このバンドの偉大なる先輩である名手ヴィニー・バーンズを超えるくらいのお気に入りになってくれるかも、という期待さえ抱かせてくれる。十分すぎるほど優れたテクニックを持ち合わせつつ、その技術をあくまでも感情表現のためにこそ有益に使いこなしてくれる、僕はそういうギタリストが大好きなのだ。ニール・フレイザー、その名前をしかと記憶しておきます。

今回は(ていうか今回も)“The Name Of The Rose”や“Fear The Force”のように分かりやすく燃え上がる必殺ハード曲が用意されているわけではなく、ある意味では非常に淡々と時間が進行していくので、僕のようなズブズブのTEN大好きっ子以外に強くアピールする傑作かどうか、正直言って客観的には判断しにくい。なので、TEN最大の武器である哀メロがかつての輝きを取り戻しつつ、そこに秀逸なGがじんわり絡んでもうひとつのドラマを作り出す本作の出来の良さに、僕はあまり大きすぎない声で「TEN復活!」と叫びたくなってしまった、と記しておきましょうか。僕がTENの作品をこう何度も繰り返して聴くのは実に久々のことだから。ここ最近のTENの体たらくに見切りを付けたファンの方も、どうかもう一度だけ彼らにチャンスを与えて頂きたい次第。まだまだ寒い夜にゲイリーの声は沁みますよ。

テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

【2011/02/06 17:17】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
こんばんは。
たしかにこの寒い夜にこの声は沁みました。
初期で聴かなくなってしまった僕にとってはどうしても1st、2ndの印象が強いのですが、このアルバムはそれこそ即効性はないもののらしさがあってよく聴いています。じわじわとメロディが浸透してくるのがこれまた快感なんですよね~。
【2011/02/08 17:40】 URL | 敏紫 #-[ 編集] | page top↑
敏紫さん、こんばんはー。

レビューで書いた通り、僕はTEN大好きっ子なので見方にかなりヒイキが入っているかもしれませんが(笑)、いやいや、こいつは聴けば聴くほどに素晴らしい作品だと思えてきましたよ。この密かな復活劇は実に嬉しいです。ちなみに、前の2作はもしまだ聴かれていなくても無理して手を出す必要はないかと僕は思います。

それからドラムを嗜む敏紫さん的には、ゲストに招かれたマーク・ゾンダーの演奏もけっこうな聴きどころだったのではないでしょうか。残念ながら僕は理論的なことは分かりませんが、随所で彼の上手さが耳を惹きました。
【2011/02/09 23:44】 URL | むーじゅ #-[ 編集] | page top↑
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