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VANDEN PLAS (2010) / THE SERAPHIC CLOCKWORK
vandenplas.jpg 1. Frequency
 2. Holes In The Sky
 3. Scar Of An Angel
 4. Sound Of Blood
 5. The Final Murder
 6. Quicksilver
 7. Rush Of Silence
 8. On My Way To Jerusalem
 
 9. Eleyson


ここ日本における過小評価王、その2。質実剛健の国ドイツが静かに誇るドラマティックメタル・バンド、VANDEN PLASの6枚目。「Frontiers」に移籍して初めての作品。

この文章をお読みの方のうち、どれほどの割合が前作5th「CHRIST O」をお聴きになっているのでしょうか?あれは正調ヨーロピアン・メタルとプログレメタルの中間をゆく妖艶かつ粘っこいメロディを帯びた佳曲の数々によって「巌窟王」の心の闇をこれ以上ないほど劇的に描き出した快作で、特に10分間のハイライト曲“January Sun”にはことばを失うほど感動してしまった。しかしこの至高の音楽性を「帯に短し襷に長し」と思うレコード会社が多かったのかどうか、あれほどの作品が日本盤なしとは返す返すも痛恨の極み。興味のある方はいまからでも間に合うのでぜひ。

今回はその前作と比較するとややプログレッシヴ・サイドに傾いた音像で、それゆえか前作ではさほど気にならなかったDREAM THEATERの影響を強く感じさせる場面がしばしば。ザックリとヘヴィなGリフに密着して連動するDsと「METROPOLIS PT.2」的な音色のKeyの絡まりあい加減がそう思わせるのだろう。否が応でも“Pull Me Under”を想起させる曲なども見つかるが、僕は基本的に「アレっぽい、コレっぽい」の共通項探しを楽しむタイプのリスナーということもあって特に問題なし。今回も存分にVANDEN PLASの世界観を堪能させてもらった。QUEENSRYCHEの“The Mission”っぽい荘厳なオープニングにドキリとした“The Final Murder”あたりも僕は大好き。例として名前を挙げた両巨頭はアメリカ産だが、VANDEN PLASの奏で出すドラマティックなメロディはどこまでもひたすらに欧風で、時折飛び出す厳かなクワイアもそうした印象を強めている。メタルに関して基本的にヨーロッパびいきの僕には頼もしい限りだ。

そして彼らの音楽に単なるDTフォロワーで片付けられない絶対的な個性を与えているのがVoのアンディ・クンツの存在。日本におけるこのバンドに対する信じられないほどの過小評価は、おそらく彼へのそれと軌を一にしている。独特の声質で滑らかに舞い踊る声と伸びやかな歌メロにぜひ触れてみて欲しい。一聴した段階ではなんてことのないように思えるメロディがリピートを重ねるたびに心をじわじわと侵食していくのは間違いなくこの歌唱のおかげ。デジパック外盤のボーナスはアンディが参加した舞台「Ludus Danielis」から抜粋した“Eleyson”という曲で、この出来がまた最高に素晴らしい。「静」から「動」を自在に行き来する彼の突出した表現力はこうした演劇活動の賜物でもあるのだろう。少々タイプは異なるが、あのロイ・カーン(KAMELOT)と同種の敬意を集めてしかるべき、情感と色気を兼ね備えた稀有な歌い手だと思う。

死ぬほどのめり込んだ前作ほどキャッチーな旋律満載というわけではないが、円熟の演奏・アレンジその他トータルで考えれば本作の完成度は前作にも決してひけをとらない。とにかく、このVANDEN PLASは保守(=「オーソドックスなメタルであること」)と革新(=「プログレであること」)のバランスが絶妙なので、後者のあり方に厳しくこだわらないメロディ派リスナーにこそ孤高のブランドとしてためらいなくお奨めしたい。今世紀に入ってからの本家DTよりも僕は断然こっち派。これ以上彼らの音楽を無視するのはもはや罪でしょう!

…なんちゃって、実は僕も1stから3rdは未聴なんだけど。反省。


(おまけ)

VANDEN PLAS / Shadow I Am

傑作「CHRIST O」の5曲目。流れに沿って楽しむ前提で作られたコンセプト・アルバムから抜粋して紹介するのはあまり本意ではないのだけど、彼らの曲は単体で聴いても十分に楽しめるのだ。こういう端的なメタル曲を作れる才は同系統バンドの中でも群を抜いていると思うのだけどどうだろう。

Andy Kuntz and others / Numquid Dari Pars Ⅱ~Pars Ⅲ (from the Rock Oratorium “Ludus Danielis”)

本作にメディアトラックとしてボーナス収録されている曲で、これまた「Ludus Danielis」の劇中歌だそう。アンディ・クンツの上手さは膝をつきながらスムーズに声を操るこれで一目瞭然。作曲担当もVANDEN PLASのGとKeyということで、音楽性はそのまんま。「2対100」みたいな後半の盛り上がりもいい感じ。DVDが出たらぜひ見てみたいなあ、こりゃ。ちなみに歌詞はラテン語だそう。

テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

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