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DREAM THEATER (2009) / BLACK CLOUDS & SILVER LININGS
dreamtheater.jpg 1. A Nightmare To Remember

 2. A Rite Of Passage 3. Wither  

 4. The Shattered Fortress

 5. The Best Of Times

 6. The Count Of Tuscany



いささか旬を逃した感もありますが、僕もちゃんと耳を通していました。プログレッシヴメタルの代名詞、DREAM THEATERの記念すべき10thアルバム。

マイク・ポートノイの深遠なる悔悟録だか何だか知らないけど音楽的にはただタルいだけの迷曲“Repentance”、そして「この程度の素材(メロディ)でどうしてこの長さの曲を作るの?」と疑問を抱かずにはいられなかった大作の存在もあってか、前作「SYSTEMATIC CHAOS」の印象は良くなかったわけですが…。ま、少々アレな言い方をすれば僕にとってDTは究極の「当たり待ち」バンドですから。

モダンテクニカル路線の前作とは異なり、今回はジェイムズ・ラブリエの囁くような中低域を生かした繊細で柔らかい歌メロがまんべんなく散りばめられているおかげか、一聴した時点で全体に思慮深さや気品のようなものが感じられて好感触。前作のように「こんなガサツな使い方をするならラブリエさんをそろそろ自由の身にしてあげて欲しい」という気分には陥らなかった。僕のような自称メロディ派のライトなプログレメタル好きにはおおむね歓迎される路線だろう(ちなみに歌モノ好きの僕は、ラブリエにメタル適性の低さを感じるがゆえか、このバンドに「過度にメタルであること」を求めていない)。筋肉の付け方の方向性をどうも間違えているような気がしてならないジョン・ペトルーシのギターも今回はあざといまでによく泣いていて耳を捉える。

よって本作は、「間延び」を予感させる長尺揃いの6曲収録という事前の情報とは裏腹に、DT初心者にだって十分にお奨め出来そうな佳作に仕上がっていると思う。ただし、「余分とも思えるインストパートでさえ、むしろ愛おしい」あの「IMAGES AND WORDS」、そして「余分とも思えるインストパートでさえ、物語を紡ぎだす上で決して欠いてはならない大事な一節なのだ」と、聴き手にコンセプトアルバムの特性を完璧に利用して強力な催眠術をかけてしまった(そして僕はいまだにこの「催眠」から抜け出せずにいる)「METROPOLIS PT.2」の魅力には二歩三歩届かず。「長い曲を作ることが手段ではなく目的になってしまっているのではないか?」という近年のDTに対する僕の、微妙な、しかし根深い疑惑を拭い去るには至っていない。器用なセルフコピペによるアル中サーガ(ごめん)の完結編にさほどの感銘を受けなかったのは、僕がそんな近頃のDTに熱意を失いかけていた証拠でもある。

先月のBURRN!誌でマイキーが「俺たちにとっては短い曲を書くというのが世界一困難な挑戦の1つなんだ」と語っているのを見て、「ああ、ご本人たちにも一応そうした自覚はあるんだ」と何だかホッとすると同時に、そこに一筋の光明を見出したのは僕だけだろうか。真面目な話、「短い曲を書くことが逆説的にプログレッシヴ」という壮大なネタフリを可能にしたバンドはそう居ないのだ。4~5分程度の尺に持てる演奏技術と作曲能力のすべてをつぎ込んだ超々・高密度な曲しか収められていない50分弱のフルアルバム…うーん、聴いてみたい。「ああ、このままずっと曲が終わらなければいいのに…」と聴き手の飢餓感を煽りに煽るような方法論でバンドの針路にコペルニクス的転回を!なんて。

僕がこんな適当な提案をするのは、本作の音像が中期以降のバンドの集大成とでも言うべき均整のとれたまとまりのよさを感じさせる一方で、これまでに彼らが築いてきた「枠」から一歩たりとも外に踏み出してはおらず、音楽的には少々の手詰まり感がどうしても否めないからだ(ブラストビートの導入だの、「異物感」が結構悪くないマイキーのオラオラVoの増量だの、それらは残念ながら枝葉末節に過ぎないと思う)。思わず熱く語りたくなってしまうような衝撃的な場面、息を呑むような展開美がほとんど見当たらないのはやっぱり寂しいな。我ながらホントにゼータクなリスナーだと思うけど、自分の音楽観をガラリと変えるほどの超絶鳥肌体験を二度もさせてくれた人たちだからハードルはどうしたって高くなるよね。今のところカタログの順位的には四番手~五番手くらいかな。荒涼感と透明な知性との絶妙な凌ぎ合いがいま聴いてもスリリングな「AWAKE」の壁は意外と厚い。

もちろん、「プログレッシヴ」の冠とは裏腹の安定感と意外なほどの分かりやすさこそが本作最大の武器であることも確かで、それゆえか各種のチャートアクションが非常に良かったことは素直に喜びたい。多種多様な個性とクセを持った作品群によってあらゆる層のファンを地道に開拓した20年もの積み重ねがあってこその快挙。まさに継続は力なり、ですね。

【2009/08/25 10:41】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
こんにちは。
DTは究極の「当たり待ち」バンドというのは僕も全く同感です。そして今回は「当たり」でした。
むーじゅさんが挙げた2枚に加えて、7th「TRAIN OF THOUGHT」でも超絶鳥肌体験をした僕としては、DTの作品は毎回買わずにはいられないんです。

4~5分の曲ばかりを収録したトータル50分程度のDTのアルバム…確かに聴いてみたいですね!
PortnoyがB!で「短い曲を作ることがチャレンジ」と言っていたことには期待が持てますね。
インタビュー等を読んでると、「難しいことにチャレンジして乗り越えること」に喜びを感じる人という印象を持ったので。
【2009/08/26 08:38】 URL | よしよ #-[ 編集] | page top↑
よしよさん、こんにちはー。

今回のアルバムは僕にとって「中当たり」といった感じでしょうか。1曲1曲ごとに「静」と「動」のキャラ付けをしていた前作とは異なり、本作は1つの曲の内部になだらかな静/動の山と谷を設けてきたといった具合で、曲の尺が長くなった必然性を感じやすかったことが功を奏したのだと思っています。僕個人の嗜好からすると、「SIX DEGREES~」以降の作品ではもっとも聴く回数が増えそうな気がしますね。ラブリエの優しい声質を生かした叙情メロディをたくさん聴けるのも単純に嬉しいです。

と書きつつ、本文では半ば言いがかりのような注文を付けているわけですから、自分でもまったく強欲な聴き手だと思います。正直に言うと、僕は前作の段階でそろそろこのバンドに見切りをつけようかな(=新譜で買うのはやめようかな)とチラと考えていたのですが…よしよさん同様、「大当たり」の味を知ってしまっているがゆえに、やはり買わずにはいられませんでした。まったく罪なバンドでありますことよ。

マイキーがチャレンジ精神に溢れたハイパーな人間だろうとのよしよさんの考察には僕も同感です。区切りの10枚目ということもあってか、本作の音像はここ10年の総決算という印象もありましたから、新たなスタートとなる次回作では思い切った方向転換もアリだと思います。短い曲だけで勝負するという方法論をマイキーが頭の片隅にでも置いてくれれば、なんてちょっぴり期待しています。さらに個人的願望を言えば1stの“Afterlife”みたいなダサかっこいいパワーメタル曲に原点回帰してくれないかなあ…って、そりゃないですね(笑)。
【2009/08/28 15:29】 URL | むーじゅ #-[ 編集] | page top↑
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