スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
IT BITES (2009) / THE TALL SHIPS
it bites 1. Oh My God
 2. Ghosts
 3. Playground
 4. Memory Of Water
 5. The Tall Ships
 6. The Wind That Shakes The Barley
 7. Great Disasters
 8. Fahrenheit
 9. For Safekeeping
 10. Lights
 11. This Is England 12. These Words

英国の万華鏡プログレ・ポップバンド、IT BITESの復活作。ああ、ああ…これは本当に素晴らしかですよ。

これ以前に僕が彼らの音源を聴いたのは解散前のスタジオアルバム「EAT ME IN ST.LOUIS」のみだが、基本的な音楽性には殆ど変化がなくて喜ばしい。このレビューを書くために「EAT ME~」も何度か聴き直してみたのだけれど、本作とのタイムラグを感じさせないほど圧倒的に洗練された音楽を20年近く前に作り上げていたことに改めて感銘を受けたと記しておこう。

さて本作。かつてバンドの顔であったフランシス・ダナリー(Vo, G)はもう居ないが、その穴を全く感じさせないとんでもない出来ばえに心底驚いているところ。彼の代わりにフロントマンとして迎えられたジョン・ミッチェルは非常に英国的ないわゆる「プログレ声」(もしくは「ポンプ声」)の持ち主で、確かにフランシスほどの個性は感じられないものの、楽曲への感情移入をヘンに阻害することもなく、目立たず隠れずの名ストーリーテラー役を淡々と全うしているという意味で素晴らしい人材だと僕は思った。音楽性が似ているA.C.TのVoの「浮き具合」が苦手な人でもこれなら問題なくイケるはず(僕はA.C.Tも溺愛しているけどね)。

最高のインパクトを誇る“I Got Your Words I Got Your Words~”の催眠コーラス(?)から一気にIT BITESの世界に引きずり込まれるオープニングの“Oh My God”を聴いた時点で「完敗!」と叫びたくなる。IT BITESをちょっと捻くれたプログレバンドだと思い込んでいる人には、メロハーファンにだって間違いなくアピールするポップな歌メロを持った“Ghosts”や“Fahrenheit”を聴いてもらいたい。何しろ彼ら一番の美点は、音楽的に相当複雑なことをしている割にメロディの流れが意外なほど素直に構築されていることなのだから。ここまでお芸術ちっくな音なのにとっつきにくさが皆無なのはもはや奇跡の領域。純プログレなスリリングな演奏と浮遊するサビメロの落差で聴き手を落としにかかる“Memory Of Water”の美しさときたら、もう。

6分を超える中・長編の曲も見事。包み込むようなメロディの情景喚起力が凄まじいタイトル曲の“The Tall Ships”にはひたすら感動。「EAT ME~」の音像にもっとも近いと感じられた“The Wind That Shakes The Barley”は曲タイトルの連呼が不思議な陶酔感を生み出す個性的なナンバー。そして“Carry On Wayward Son”っぽいメロディと少々QUEEN風味ありのコーラスを軸に聴き手を13分間の小旅行に連れ出してくれる終曲“This Is England”は圧巻。日本盤ボーナスの“These Words”もちょっとPENDRAGON風の牧歌的な曲調が心に染みる秀作で本編の曲と何ら遜色なし。これ以上の列挙は避けるが、とにかくすべての曲において繊細美麗な一話完結のドラマが成立している。

正調ポンプロック風の「雅」な音を基本にしつつ、時に荘重なパイプオルガンっぽく、また時には泣きたくなるほど切ないオルゴールちっくに、様々な音色を使い分けて楽曲を優しくカラフルに彩るKeyアレンジがこのアルバムの素晴らしさを完全に決定付けていて、この「音」そのものを聴くためだけに買っても損はしないと言いたくなる。ここまで綺麗な七色のKeyサウンドを全編に渡って堪能できる作品は稀有ではないか。加えて歪みをあえて抑えたGの奏でる柔和な泣きのメロディも素晴らしいのだからお手上げ状態だ。

…と、どんなに僕がここで字数を費やしても本作の凄さのおそらく3%も伝わらないと思う。自分の語彙と表現力の貧弱さを本気で呪いたくなるほどの多彩な魅力に溢れかえった傑作。音像に深い深い奥行きがあって、微笑ましい遊び心が随所に盛り込まれていて、それでいて上品な透明感がきちんと保たれていて。。。ロックがどうとかメタルがこうとか、そんな近視眼的なジャンル分けはとりあえず横に措いておいて、ただ単純に「音楽」が好きな人であればこそ真っ先に聴いておくべき作品ではないかと思う。ていうかブログタイトルの「音遊」がこれほどドンピシャでハマる作品はそうそうない。いやあ、参りました。

テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

【2009/03/25 12:27】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
<<BAD HABIT (2009) / ABOVE AND BEYOND | ホーム | DAVID COOK (2009) / DAVID COOK>>
コメント
実際この音楽性を説明するのは難しいですよね。
摩訶不思議なIT BITESサウンドは独特ですから。
独特ですがメロディはフックのあるメロディアスなものなので、
先入観なくとりあえず聴いてもらいたいですね。
次作では"Sister Sarah"タイプのスリリングな曲も聴きたいところです。
【2009/03/25 18:09】 URL | RABI #mxdmXl.w[ 編集] | page top↑
RABIさん、こんにちはー。

RABIさんのおっしゃる通り、「とりあえず聴いてみて」としか言えないですね、IT BITESは。ことばでは言い表せない魅力と個性を持った作品に出会えたときのもどかしさは、僕にとっていつだって大きな喜びでもあります。何か少し変態みたいですか??(笑)

「プログレ」の冠に少々抵抗のある人でも、IT BITESの作る世界になら自然に溶け込めそうな気がします。ありがちな「プログレするためのプログレ」とは完全に一線を画した、聴き手への配慮たっぷりのメロディたちが実に素晴らしいですね。

それから、いわゆるプログレメタルほど重くないサラリとした質感でこの手の音楽を聞かせてくれる存在は、現在のシーンにおいてかなり貴重なのではないでしょうか。

フランシスが居なくなったことで“Sister Sarah”なんかで聞けたファンクがかった心躍るリズムGが減少したのは確かですね。ジョン・ミッチェルをフロントに立てた時点で、彼の素朴な英国声を生かす叙情性重視の方向にバンドがシフトしたのかもしれません。次回作ではどの方向にIT BITESが向かうのか、また楽しみが増えました。1stと2ndも頑張って探します!

【2009/03/26 17:43】 URL | むーじゅ #-[ 編集] | page top↑
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://mooju.blog121.fc2.com/tb.php/150-59c9554d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。