NICKELBACK (2008) / DARK HORSE
nickelback.jpg 1. Something In Your Mouth
 2. Burn It To The Ground
 3. Gotta Be Somebody
 4. I'd Come For You
 5. Next Go Round
 6. Just To Get High
 7. Never Gonna Be Alone
 8. Shakin' Hands
 9. S.E.X.
 10. If Today Was Your Last Day
 11. This Afternoon

カナダ産、モダン・ハードロック界の代表格、NICKELBACK。またしてもメガヒット間違いなしの新作。これは予想を遥かに超える出来です。

今回はDEF LEPPARDの「HYSTERIA」でメタラーにもお馴染みのジョン・マット・ラングをプロデューサーに起用、これで売れなければどのアーティストのどのアルバムも売れねーよと言いたくなる最強タッグで勝負してきた。

以前のSHINEDOWNのレビューで僕は「NICKELBACKのアルバムは全体的な起伏に欠ける」といった旨を記した。その飾らなさは作品の統一感を保つという意味ではプラスに働いていたのだけれど、やはりアルバム一枚を新鮮な気持ちで聴き通すには少々辛いものがあった。その(あくまで日本では、だけど)地味とさえ言われかねない骨っぽさも含めて、非常に生真面目な人たちが丁寧に作った誠実な音楽だということが伝わってくるので憎めなかったのも事実だけど。

ところが本作「DARK HORSE」はこれがマット・ラング効果なのかどうか、「THE LONG ROAD」や「ALL THE RIGHT REASONS」とは比較にならないほど各曲の個性が際立っていて驚いた。まずはリードトラックの“Gotta Be Somebody”が強烈!これぞマット・ラングなシャラいアレンジが絶品のメロディを最高の形で引き立てる。もはやこれはハードロックではないとか何とか文句を付けられる可能性もなきにしもあらずだけど、ただ端的に言って名曲なのだから仕方ない。大げさな表現ではなく、これは2008年を代表する1曲になるかも。

マット・ラング色が特に色濃く出ていると僕が思ったのは“I’d Come For You”や“Never Gonna Be Alone”といったNICKELBACK必殺の絶品ロックバラード調。決して女々しくならないチャド・クルーガーの芯の強い歌声(と、それを邪魔しない程度に絡みつく巧みなコーラス処理)が胸に迫る。が、本作で音像がメロウに流れる瞬間はこの2曲のみ。世間向けのシングルとして絶大な威力を誇る自らの最強武器をあえて控えめにした、ここにもバンドの本作へのゆるぎない自信が見え隠れする。

なんたって今回はとにかくヘヴィサイドが充実しているのだ!畳み掛けるような早口パートが最高にクールなオープニング曲の“Something In Your Mouth”(エロス!)、そしてタイトルからしてド直球な“S.E.X.”といったダンサブルな快感追求型チューンがNICKELBACKのお堅いパブリックイメージを覆してくれるのではないかという気がしている。特に後者、歌詞から何からもう死ぬほどカッコよいです。痛快・爽快とはまさにこのこと。

「Hey!」という煽り(チャドいわく「ギャング・ヴォーカル」)を大量に導入した“Burn It To The Ground”(GOTTHARDの“Lift U Up”を想起させるリズムがグッド)や“Shakin’ Hands”は凄くポジティヴな意味でのバカっぽさがたまらないし、中盤に配された爽快にスパッと切れる“Next Go Round”や“Just To Get High”の2曲が中だるみを完全に阻止しているのもミソ…って、調子に乗って全曲列挙してしまうけど(笑)、今回の出来はマジで半端じゃないですよと僕も大騒ぎしておきます。この単純な「楽しさ」「気持ちよさ」を要所で違和感なくスッと導入できたことが、あるいはポップソングの粋を知り尽くしたマット・ラング招聘最大のGJかもしれない。

「軽快」とさえ形容できる“If Today Was Your Last Day”のアレンジなんかはその好例だし、笑顔でのレコーディング風景が思い浮かぶほど肩の力の抜けた“This Afternoon”でラストを締めたのは「やられた!」って感じ。このラスト2曲の軽い口当たりがまた上手いことリピートを誘うのですよ。僕のようなアルバムの構成力・起伏の有無にかなりこだわるうるさ型のリスナーも納得の仕上がりになっていると思う。

起伏を設ける工夫といえば、今回は5曲でチャド自らが流麗なギターソロを披露してくれているのもポイント。やっぱりハードロックにはソロがないと物足りねーよという御仁も耳を貸してみる価値は十分。てか普通に賞賛できるレベルで上手いですよこの人。「弾けるけどあえて弾かない」というアプローチだったのね、と何だか嬉しいやら悔しいやら(笑)。

ということで、本作はバンド渾身の超・娯楽大作と呼ぶに相応しい傑作。従前の個性をちゃんと保持したまま、ここまで突き抜けてくれるとは思っていなかった。売れに売れていた割に意外なほど“fun”の側面が希薄だったNICKELBACK像をまんまと破壊して一回りも二回りも大きく再生するであろうターニング・ポイント的な一枚に仕上がったのではないか。あまりの開き直りっぷりに困惑する古参ファンも多かろうが、僕は文句なく、130%支持します! NICKELBACKをまだ聴いたことのない新規さん、ここから参入しましょう!!いやあ、これぞ「大穴」だわ。

【2008/12/10 15:01】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
か、買っちゃった♪
すげぇ!すごいです!!
このバンドのことは知らなくて、先入観なくこのアルバムの音から入ったんです。
よいタイミングで出会えてシアワセです。
とにかく楽しい!気持ちいい!!元気になれる。全曲あっという間。
特にヘヴィな一曲目に責め立てられて、他にもうっとりしたり、せつなくなったり、強気になったり、振り回されまくりですw
おっしゃる通り、振り回されたぶん、最後の曲で力が抜けて 心地よい疲労感に笑顔がこぼれちゃう。
そしてリピート。
エンドレスですよねwww
【2009/01/27 23:04】 URL | JMJ #9wbkgK9.[ 編集] | page top↑
JMJさん、こんにちはー。

買われましたか、「DARK HORSE」!気に入っていただけたようで何よりです。それにしてもJMJさん、読んでいる僕のほうが嬉しくなってしまうような心躍る文章ですね!

拙レビューではいくらか小難しいことを書きましたが、要するにこの作品、ゴリゴリでノリノリ、時にメロメロ・時にエロエロ、最終的には僕たちヘロヘロのベロベロってことですよね?これでニュアンスは伝わりますか??(笑) 最高です!
【2009/01/29 13:28】 URL | むーじゅ #-[ 編集] | page top↑
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