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EDGUY (2008) / TINNITUS SANCTUS
edguy.jpg 1. Ministry Of Saints
 2. Sex Fire Religion
 3. Pride Of Creation
 4. Nine Lives
 5. Wake Up Dreaming Black
 6. Dragonfly
 7. Thorn Without A Rose
 8. 9-2-9
 9. Speedhoven
 10. Dead Or Rock
 11. Aren't You A Little Pervert Too?!

ドイツの若き天才、トビアス・サメット率いるEDGUYの8th。前作「ROCKET RIDE」は未聴。

かつて自らが属したメロディック・パワーメタル・バンドの一群からいち早く抜け出したEDGUY。今回は従来よりもさらに間口の広がった聴きやすいメロディックメタルを提供してくれている。AVANTASIAのレビューでも書いたけど、トビアスのソングライターとしての素晴らしさは「キャッチー」という概念を極めて客観的に把握し、それを具現化できる点にあると思う。インタビューや音楽嗜好などから判断するに、おそらく彼はガチガチのメタル原理主義者ではなく、むしろちょっとおバカなロックンロール・パーティー野郎、あるいは意外とロマンティックなメロハー者という側面の強い人物だと予想するのだけど、本作では彼のそうした柔軟性と自由な発想力とがAVANTASIAと同様にはっきりと生かされている。

僕が特に秀逸だと思ったのはサビメロの微妙な哀感がこちらの感性をくすぐる“9-2-9”、これぞ王道!なEDGUY節を堪能できる“Wake Up Dreaming Black”、そしてメタルどうこうは関係なく単純にいい曲だと思えるバラード“Thorn Without A Rose”。またちょっと浮き気味ではあるが、コーラスの爽快さがどこかミートローフっぽい“The Pride Of Creation”は彼の才能の豊かさを端的に示す1曲。とにかく全曲に覚えやすいメロを配することの出来るトビアスの得がたい才能には瞠目すべき。

が、ここからは水準以上の作品であるという前提で、気づいたこと、ていうか個人的な不満をいくつか。

この「TINNITUS SANCTUS」、僕が聴いたEDGUYの過去作品「VAIN GLORY OPERA」、「THEATER OF SALVATION」、そして傑作「HELLFIRE CLUB」と比較して、バンド全体で聴き手に挑みかかってくるような「熱」のもっとも希薄な作品だと感じられた。それは狭義のメロパワから脱却したからだとか、速い曲が減った云々といった表層的な原因によるものだけではないはず。

…ああ、もうぶっちゃけて具体的に言っちゃうと、ギターチームの2人が楽をしすぎている、てか相当にサボってるような怠惰な印象を受けるのだ。こんな失礼な感想を抱くのは僕だけだろうか。曲調に勢いのあった過去作では巧妙に隠されていたこのバンドの弱点が、音の密度の低い広義のメロディックメタルを目指したがゆえ皮肉にも露になってしまった感じ。もしもトビアスが歌メロ作りから徐々に曲全体を練り上げていく作曲手法を取っているのだとしたら、ギターの二人はそこに印象的なリフをくっつけるお手伝いくらいしてあげなきゃ。本職なんだから。てかいくらトビアスでも万能じゃないんだから。よく考えてみると旧作にも「EDGUYといえばこのギターリフ!」とパッと思いつけるものが殆どないような。EDGUYが「メタルバンドとして」さらに飛躍したいのであれば、ギターコンビの強化はどうしても避けられない課題かと思う。

それから、「良い曲を作ること」と「良いアルバムを作ること」は似て異なるものなのだなと改めて気づかされたような気がする。B!誌のインタビューで心から自然と生まれる正直な音楽を作りたいと熱く語っていたトビアスだけど、もちろんそうした純粋な想いの大切さは重々理解したうえで、それでも単に良い曲を羅列するだけでは足りないものがあるはずだと言いたい。まるでiPodでランダム再生したかのようなブツ切れ感さえ覚える曲配置にはもうちょい配慮が欲しい。あまりにも自然体過ぎる。

またトビアスの「何でも出来るよ」、あるいは「何でもやってみたい!」という音楽的宣言がAVANTASIAの3rdのそれと酷似しているためにEDGUYというバンドの立ち位置が曖昧になってしまったことも気になる。今後トビアスは両バンドの折り合いをどのようにつけていくのだろうか?

日本盤のボーナス曲は完全な蛇足。その一方でオマケのライヴ盤は聴き応えあり。トビアスの巧みな客煽りの一端が伝わってくる。あ、もしかして本編とライヴの「熱」の落差も僕に上記のように思わせた一因なのかも。

かなり辛口なレビューになってしまったけど、全編でキャッチーなメロディを聞かせてくれる良質なメタル作なのは間違いないのでそこは誤解なきよう。でもEDGUYに初めて触れるならやはり「HELLFIRE CLUB」だろうなあ。これはEDGUY初心者どころかメタル初心者にも自信を持ってお勧めできる一枚なので。聴いたことのない方はぜひこちらから。


しばらくは新譜のレビューが続くかと思います。よろしければご覧ください。

テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

【2008/12/08 14:55】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
こんにちは。
確かにエドガイとアヴァンタジアの関係性は微妙になってきてますよね。トビーが書く多彩な曲を豪華ゲストシンガーが歌うアヴァンタジアに対して、エドガイにしかない強みは何かというと…「?」となってしまいます。

あくまで個人的な希望ですがエドガイ=徹頭徹尾メロパワ、アヴァンタジア=メロパワの枠を超えたメロディアス作品って感じになってくれたら嬉しいなぁ・・・って僕のブログでも書こうと思ってたところです。
【2008/12/13 09:18】 URL | よしよ #-[ 編集] | page top↑
よしよさん、こんにちはー。

僕のようにさほど熱心なファンではない人間であればあるほど、両バンドの棲み分けを明確にしてほしいという想いが強くなるのではと予想します。「トビー命!」の方には実に些細な問題なのかもしれませんが。

僕は「MANDRAKE」および「ROCKET RIDE」を自分の耳で聴いていないので迂闊なことは言えませんが、各所のレビュー等から判断するに、なぜトビアスが「HELLFIRE CLUB」の路線をあの一作で「切った」のか、どうも解せないところがあります。
【2008/12/15 18:22】 URL | むーじゅ #-[ 編集] | page top↑
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