スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
SEVENTH WONDER (2008) / MERCY FALLS
seventh wonder  1. A New Beginning 2. There And Back
 3. Welcome To Mercy Falls
 4. Unbreakable 5. Tears For A Father
 6. A Day Away 7. Tears For A Son
 8. Paradise 9. Fall In Line
 10. Break The Silence
 11. Hide And Seek
 12. Destiny Calls
 13. One Last Goodbye 14. Back In Time
 15. Black Parade

ノルウェーにCIRCUS MAXIMUSあれば、どっこいスウェーデンには彼らあり。大衆型プログレメタルの期待の星、SEVENTH WONDERの3rdアルバム。

日本盤未発という事実がいまでも恨めしいほどの素晴らしいプログレメタルだった前作2nd「WAITING IN THE WINGS」に僕は少なからず感動した。もともとはフツーのメロディックメタルを志向していたバンドが曲作りをしているうちに段々と複雑な方面に音像を延長させてしまった感じというか、必要以上に頭でっかちにならない親しみやすさ、あるいは時折挟み込まれる軽やかなネオクラ調メロディに代表される俗っぽさと、聴き手がこの手に期待するプログレ系ならではの聴き応えとが両立した好盤だった。

本作も現時点で国内未発とはどうにもこうにも信じられないわけだが、とにかく待望の新作。彼らはこの手のバンドの登竜門とでも言うべきコンセプトアルバムで勝負を挑んできた。冒頭2曲がSE&インストなんて構成もQUEENSRYCHEの「OPERATION : MINDCRIME」を思い出してニヤリとしちゃう。

74分の超大作ということが影響してかどうか、前作と比べてサビメロのキャッチーさはやや薄くなった感もあり、彼らをメロディックメタルの変種だと捉えていた向きには少々の後退感があるかもしれないが、その分だけ音像のプログレ性を深化させた意欲的な作品として高く評価すべき内容かと思う。特定のイメージを植えつけがちなネオクラふうの音色使いを多少犠牲にしてでも現代的な世界観に根ざした音の深みを重視すべき作風だと思うので、この選択は個人的にアリ。意味ありげなSE、インスト曲、2分程度の小品、女性Voとのデュエット、そして「まとめパート」的なコラージュ曲などなど、貪欲なまでにありとあらゆる手法を用いて徹底的にドラマティックに仕立て上げようとする姿勢は絶対に買い。

個人的なハイライトは中盤の絶妙な展開にあり。ポップなメロディの開放感にウフフの“A Day Away”~ピアノをフィーチュアした小曲“Tears For A Son”~ダークな出だしからこれぞ!のキャッチーなSEVENTH WONDER節へと広がっていく“Paradise”、そして止めはシリアス&スリリングな秀曲“Fall In Line”。この流れの良さは前作の5曲目“Not An Angel”から終曲の“Pieces”のラインで感じられたカタルシスに匹敵する。楽曲単位で言えば、スタスタと疾走するリズムが新鮮な風を吹き込む“Hide And Seek”も素晴らしい。

あれほど個性的でもなければ自己陶酔的でもないけど、かのD.C.クーパーに似たスムーズな声を持つVoも歌唱の幅を広げていて嬉しい。優しく囁いたかと思えば、時に噛み付くような熱唱を披露したりして、ここいらは多彩な表現力が求められるコンセプト作という前提がいい方向に作用したのかもしれない。立体的・重層的なコーラスがヒョイと飛び出してくるのも相変わらず大きな魅力。さらに複雑さを増したバッキングには非の打ち所がなく、特に変幻自在のKeyアレンジには感服。

ものすごーく贅沢な注文を付けるとすれば、音を聴いただけではせっかくのコンセプトが伝わりにくい点には改善の余地があるように思う。歌詞を読んでも何を言いたいのか正直ちと分かりづらいから、あるいは表現すべき物語自体に問題があるのかもしれないけど(どうも僕には心象風景に片寄った独りよがりな感じがする。具体的な情報が少なすぎ)。別にコンセプトいらないんじゃないの?みたいなね。製作過程で何かしらのプラスの影響が欲しいためにコンセプトをわざわざ作り上げたというレベルに留まっていて、大切な何かを伝えたいからこういう音楽になったみたいな必然性に欠ける気がするのだ。辛口すぎ?

先述の「OPERATION : MINDCRIME」、あるいはDREAM THEATERの「METROPOLIS PT.2」が各所で神格化されているのは、歌詞を読まずとも、背景を知らずとも、ただただ音楽の力のみによってストーリーが頭の中で勝手に映像化されてしまうほど、実際に鳴らされている音と伝えたいテーマとが不可分にリンクしていたからだと僕は考えている。単なる演奏力云々の次元を超えた「音楽的再現力」こそがキモだったのだ。まあたかだか3作目にして偉大なる大御所の歴史的超傑作を比較対象に持ち出されるポテンシャルを持っているだけでも相当なことだけどさ。何作後かにもう一度挑戦してもらいたいな、コンセプトアルバムには。周期的にも、そろそろ僕にとっての「3枚目」が出てきても良い頃合。

何にせよ本当に今後が楽しみなバンド。CIRCUS MAXIMUSと並んでプログレメタルの未来と持ち上げられたってちっとも不思議じゃない。DREAM THEATERのフォロワーとして、彼らのもっともメロディアスな部分に感銘を受けた(であろう)連中だからこそ作れる麗しきメタルがある。「その名の通り、プログレは常に進化し続けなければ…」云々と考える原理主義者ではない、旋律重視型のライトなプログレHR/HMリスナー(僕です)にはうってつけ。お願いだから日本盤出して。もっともっとたくさんのメタラーさんにこの存在を知ってもらわなければ嘘だよ。SEVENTH WONDER、この名前覚えといて損はありません。

テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

【2008/11/03 13:59】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
<<SHINEDOWN (2008) / THE SOUND OF MADNESS | ホーム | SERENITY (2008) / FALLEN SANCTUARY>>
コメント
こんにちは。素晴らしいレビューだと思いながら読ませてもらいました。

僕がこのアルバムについて「良いんだけど、どこか物足りないなぁ」と感じていたことを、むーじゅさんが代弁してくれたような気分です。

「その名の通り、プログレは常に進化し続けなければ…」云々と考える原理主義者ではない、旋律重視型のライトなプログレHR/HMリスナー
→僕もその一人です。

PAGAN'S MINDの新作を一通り聴いた感想をうちのブログにアップしましたので、よろしければご参考にどうぞ。かなり、あっさりした感想ですが。
【2008/11/05 08:14】 URL | よしよ #-[ 編集] | page top↑
よしよさん、こんにちはー。お褒めの言葉を頂いて恐縮です。。。ありがとうございます。

僕の中では「OPERATION~」と「METROPOLIS~」の存在感があまりにも強すぎて、コンセプト作と聞くとどうしても身構えてしまうんですよね。サビメロも2ndの水準を考えればもう少しキャッチーに出来たかと思います。なので最後はちょっと辛口になりましたが、将来への大いなる期待も込めて、ということで。僕たちのようなライトな聴き手には実に頼もしい新たなブランドになりそうな気がします、SEVENTH WONDER。

PAGAN'S MIND、これから読ませていただきますね。
【2008/11/05 12:01】 URL | むーじゅ #-[ 編集] | page top↑
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://mooju.blog121.fc2.com/tb.php/115-40eba70c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。