JOURNEY (2008) / REVELATION
JOURNEY.jpg 1. Never Walk Away
 2. Like A Sunshower
 3. Change For The Better 4. Wildest Dream
 5. Faith In The Heartland
 6. After All These Years
 7. Where Did I Lose Your Love 
 8. What I Needed 9. What It Takes To Win
 10. Turn Down The World Tonight
 11. The Journey (Revelation) 
 12. The Place In Your Heart

産業ロックの帝王、JOURNEY。新Voを迎えての話題作。売れているみたいです。

メンバー全員がVoをとるなど、やや散漫な出来の前作「GENERATIONS」から容易に想像できたスティーヴ・オウジェリーの離脱劇、かのジェフ・スコット・ソートのツアー参加~正式加入~いつのまにか脱退というゴタゴタを経て、彼らが新たなバンドの顔として選んだのはフィリピン出身の無名シンガー、アーネル・ピネダその人であった。。。僕は彼の加入が決まって以降、YouTube等で声が知られる状態になっても我慢してあえて聴かず(笑)、日本盤の発売をただひたすらじーっと待っておりました。

…いやあ、「ペリー度」で言えばオウジェリーを軽く凌ぎ、ケヴィン・チャルファントの域に迫ろうかという感じですなあ、アーネル・ピネダ。オウジェリーほど明るく柔和な感じはせず、またややラフなところもありながら、その分だけ強いロック・フィーリングを感じられる伸びやかな声は秀逸。JOURNEYの看板を背負えるだけの実力は十分と見る。少なくとも単なる物真似シンガーと断ずるのはもったいない人材だ。

それでは肝心の楽曲はどうかと言えば、オープニングの“Never Walk Away”からしていつものJOURNEY節が大炸裂。やはりこの安心感は何者にも代えがたい。考えてみたら、30年もの長きにわたって高度な作曲能力を保ち続けるというのも凄いことなのだ。逆に言えば、JOURNEYの作り出した「型」が経年劣化とは無縁の、不変にして普遍のスタイルであることの証明なのだろう。「あれ、これって“Lights”?」とか「なんでここで“Faithfully”が?」なんちゃって無粋な感想が頭をよぎる瞬間がなきにしもあらずだけど、これは伝統芸にありがちなニアミスということで(笑)。

“Change For The Better”や“Wildest Dream”のようなロック曲ではアーネルの太めのVoが独自の輝きを放っているし、哀愁メロハーの“Where Did I Lose Your Love”や“What It Takes To Win”にはしみじみ。そしてジョナサン・ケインの凛としたKeyが麗しい“Turn Down The World Tonight”を聴けば心が揺れずにいられない。あざといと言われようと何だろうと、僕がJOURNEYに求めるのはこういう曲なのよ。ニール・ショーンが奏でる緩急自在のGソロも全編で優しく柔らかく耳をくすぐってくれて幸せ。やはり天才。

ちょっと疑問なのは音作り。「ARRIVAL」同様にケヴィン・シャーリーがプロデュース&ミキシングをしているはずなのに、随分とおとなしい音になっているような。「ARRIVAL」があれだけ鮮烈な印象を残したのはオウジェリーの爽快な歌唱と見事にマッチングした瑞々しい音作りがその理由だったと思うだけに少々残念。まあレトロ感を醸し出していると言えばそうかもしれない。それとまったりとした“Like A Sunshower”(例の“Lights”っぽい曲/笑)を2曲目に差し込んだ点にもやや疑問が残る。iPodでは多分曲順を入れ替えることになるだろう。

個人的な満足度からすると、本作は「GENERATIONS」以上「ARRIVAL」未満といったところ。アーネルという逸材を得てアルバムにビシッと筋が通っているのは前作になかった美点で好感が持てるが、その前作の曲をサラッと使い回している点への疑問も含め(もちろんいい曲なんだけど)、フレッシュな新生の喜びに満ち溢れていたあの「ARRIVAL」と比べれば一段下がるかなという感じ。新Voを迎えての一発目の割にはやけに「守り」に入っているというか、音像が全体的に妙~に落ち着いているのが僕としてはちょっと気になるところ。決して売れずとも、前2作にはバンドの音楽的野心が確かに伺えたから。そういう意味で、もしもジェフ・スコット・ソートが歌っていたらどうなっていただろう…という思いもある(僕は重度のジェフ中毒患者)。いや、それじゃまた売れずに前作の轍を踏むだけか。

もちろんこれらは死ぬほど高い水準が求められるJOURNEYだからこその要求、というか言いがかりであって、当然聴いて損なしの作品なのは間違いない。「メロディアスロックは、ネガティブな想いを発散するためではなく、ポジティブなエネルギーを吸収するために聴く音楽なのだ」とはいつぞやのJOURNEYのライヴ評におけるBURRN!誌の藤木さんのことばだが、まさにその通り。何十年も前から相も変わらず聴き手に愛と勇気と希望とを惜しみなく与えてくれる稀有なるバンド、それがJOURNEYなのです。皆さん、暖かい拍手で王者の帰還を出迎えようじゃありませんか。

そうそう、「ARRIVAL」はJOURNEY云々に関係なく爽快メロディアスロックの最高峰と言っても過言ではない出来ばえだったので、僕からも強く強くオススメしておきましょう。個人的にはかの「ESCAPE」や「RAISED ON RADIO」と同じくらい、あるいはそれ以上に深く愛しています。楽曲はまさに粒ぞろい、中古ならきっと安く手に入りますから是非是非。冒頭を飾る“Higher Place”のインパクト一発で勝負あり。ちょっと異色の“Loved By You”や“Kiss Me Softly”も心が蕩けそうなほど素晴らしい。正直、僕はまだオウジェリーの声に少なからぬ未練があります。「なかったこと」にするのはあまりに惜しい。

ちなみにDisc 2のアーネルが歌った名曲集はまさにオマケといった感じだが、彼が過去のマテリアルを問題なく歌えていることを確認するには十分な出来。“Send Her My Love”も聴きたかったが、大好きな“Stone In Love”を入れてくれたのは嬉しい。でもJOURNEYいちの名曲はやはり“Who’s Crying Now”ですね。この流麗な泣きのGソロは私の音楽人生でも文句なく十指に入るわ(“Separate Ways”もね)。耳に残るソロの王様といえばやはりこのお方、ニール・ショーン万歳!!

テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽

【2008/10/15 16:21】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
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コメント
むーじゅさん
JOURNEY愛に満ちたレビューで、いつもながらよく聴き込んでらっしゃるなと思いました。

オウジェリー時代の作品も含めてJOURNEYは安心して聴けるバンドですよね。

あと100の質問をブログにアップしたので、トラックバックさせていただきましたー。
【2008/10/18 11:09】 URL | よしよ #-[ 編集] | page top↑
こんにちは。

JOURNEYの新譜は私のバイト先の店でも売れてますよ。
(ちなみに新○堂はクリアファイルとステッカーのダブル特典です。)

好きでないとここまでのレビューは書けませんね。
よしよさん同様、JOURNEYへの愛を感じました。
【2008/10/19 04:02】 URL | Metalaholic #vdXS97RM[ 編集] | page top↑
よしよさん、こんにちはー。

はい、僕は確かにJOURNEYを愛してます。大学受験のころにペリー時代のベスト盤と「ARRIVAL」を交互に聴き続けていた時期がありました。なので「ARRIVAL」の評価にはかなり強い思い入れとヒイキが入っています(笑)。

よしよさんの100の質問が非常に面白かったので、これからコメントを付けにお伺いします。
【2008/10/20 20:46】 URL | むーじゅ #-[ 編集] | page top↑
Metalaholicさん、こんにちはー。

国内盤も売れていますか、JOURNEY。おそらく主な購買層は僕よりもアダルティーな方々なのでしょう、多少の高値は気にしないって感じなんですかね。

僕がJOURNEYを聴き始めたころにはすでにペリーはいないわけで。シンガーが変わっても、時代が流れても、僕のような若造でさえ楽曲(メロディ)の力だけでここまでトリコにしてしまうJOURNEYというバンド、やはり稀有の存在だと思います。
【2008/10/20 20:53】 URL | むーじゅ #-[ 編集] | page top↑
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