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Magnus Karlsson's Freefall (2020) / We Are the Night
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マグナス・カールソンが作る音楽は、言うまでもなく当代メロディック・メタルの最高峰の1つ。1st・2ndよりも重厚な作風が本作の特徴で、この手の音楽が好きならば事前情報なしにポチっとしても十分にお釣りがくる出来栄え。要は「黙って聴け」というべき快作だ。

ここからは完全に個人的な嗜好レベルの話として、あれやこれやの感想・妄想・空想を書かせてほしい。

ノーラ・ロウヒモ(Battle Beast)のパッション溢れる歌に覚える感動は、アン・ウィルソン姉上(Heart)の声に聴き惚れているときのそれに近い。静から動へのダイナミックなギアチェンジに鳥肌。いずれHeartの産業ロック「3部作」のカヴァー・アルバムでも作ってくれないかしら。

「彼の声には食傷気味で…」というネガティブな文脈で名前を目にすることもしばしば、現代HR/HM界きっての「渡り鳥」ロニー・ロメロ。実は彼の声にきちんと接したのはこれが初めてなのだが、一瞬ハッとするほど故スティーヴ・リー(Gotthard)っぽさを感じる。存在意義が謎すぎるプロジェクトCore-Leoniに留まらず、本家にそのまま加入してくれれば万事うまくいきそうなのに…と思ったのは秘密。「# 13」の出来はどうでしたか?

ディノ・ジェルシック(Dirty Shirley)とレナン・ゾンタ(Electric Mob)という新鋭2人の実力も相当なもの。どうやら両者とも「本業」では違う音楽性を志向しているらしいが、それが信じられないくらいのハマりぶり。これならヨルン・ランデやラッセル・アレンといった「マグナス組」が外れたのも十分に理解できる。ただ、2人ともよく似た声質の熱唱型で、メロディック系リスナーへの「顔見せ」として考えると、お互いにインパクトを損ない合っているような気もする。えいと思い切ってどちらか1人だけを推してもよかったんじゃないかな。個人的にはレナンのほうが僅差で好みかもしれない。

前作で一番感動したのは、かの「Headless Cross」に近しい世界が見事に蘇っていた“When the Sky Falls”。本作でもまたトニー・マーティンとのタッグが実現していて本当に嬉しい。が、様式系疾走曲の”Temples And Towers”はどうにも「歌わされている」感が強くて、正直苦しい。これはトニーがどうこうというよりも、むしろマグナスはじめ制作側の手落ちかと思われる。一方で終曲のスロー&ムーディな”Far from Over”での歌いっぷりは彼がまだまだ現役であることを静かに主張していて、「これこれ!」と膝を打った。うっすらと靄のようにけぶるジェフ・ニコルズ風のKeyが最高ですよねえ。

最後に主役のマグナスについても少々。メロハー要素の薄くなった本作においては、ご本人の歌う2曲が「引き」の役割を担っていて、出来は当然プリティ・グッド。「ちょっと押しが弱いけど上品でいい声だなあ。誰だろこれ?」と思ってクレジットを確認したら大体マグナス、というのがこのプロジェクトの「あるある」ですよね?個性的でない歌声もまた個性のうちというか(褒めてます)。今回の白眉はプログメタル風味も少々の劇的なインスト曲”On My Way Back to Earth”。どんな歌メロを載せても名曲になりそうな、まさに「聞かせる」1曲。彼の音楽家としての総合的な力量の高さを再認識しました。

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【2020/07/18 23:13】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
FM (2020) / Synchronized
fm synchronized

前作「Atomic Generation」が会心の一撃だったFM。本作もその勢いのままに、若々しく躍動する歌と演奏とをたっぷりと聞かせてくれている。

我が「先生」ことスティーヴ・オーヴァーランドの歌唱は還暦間近のここにきてますます好調。前作に引き続きThe Ladderの遺産を復活させた"Angels Cried"は、明らかに2020年バージョンの方が感動的。先生の気合の入り方が違う!

変幻自在のプレイで魅せる業師ジム・カークパトリック(G)の巧さも相変わらず光るが、今回特筆すべきはジェム・デイヴィス(key)の見事な活躍ぶり。印象的なイントロでワクワクさせてくれる曲が増えたのが嬉しい。広がりと奥行きを感じるモダンな音像も彼の貢献によるところが大きいように思う。

…が、オープニングで「これは名曲!」と期待させつつ、そこをピークにサビメロで盛り上がりきらないというか、「えっ、そっち方向にメロディを持っていっちゃうの?」と肩透かしを食う曲もちらほら。例えばタイトル曲~"Superstar"の流れに顕著。と言っても、それはあくまでも根がメロハー者たる自分の好みと微妙にズレているだけのこと。何周かした今となっては「これはこれでありかな」と思えるから不思議。むしろ古き良き英国ロック好きにこそ、より強くアピールする作品かもしれない。

そんな中で感動のバラード"Ghost of You And I"と(哀愁×ポップ)のバランスが美味しい"Change for the Better"は、彼らがこれまで残してきた名曲たちの系譜に堂々と連なるべき出来栄え。日本全国で推計3万人の先生ファンは当然ながら「買い」です。



ライブ盤「The Italian Job」も是非聴いてね。いつどこで聴いても感動せずにはいられない永遠の名曲をあなたへ。先生、ギターも味わい深くてステキよ。

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【2020/07/05 01:00】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
Harem Scarem (2020) / Change the World
haremscarem change the world

再始動後ハーレムの最高作品と言って差し支えない。

まずはスケールの大きなタイトル曲の素晴らしさに言葉が出ないほど感動したことを書き残しておく。「君と僕とで世界を変えよう」という呼びかけに応えるかのように、後半スーッと浮かび上がってくるトニー・ハーネルの起用法が自分の感性にドンピシャ。世界中がいまこんなにも大変な時だからこそ、より強く熱く胸に響く。

それに続く"Aftershock"で完全にノックアウト。デビューしてかれこれ30年になんなんとする彼らが、これほどまでに「エモい」曲を未だに書き、歌い、演奏してくれることに心から感謝。ずーっとこのバンドを追いかけてきた自分を何故だか少し誇りたくなる、そんな名曲。

オープニング2曲の印象が強烈すぎて頭と耳がボーっとしてしまい、一回り最後まで聴いた時にはややあっさりした作風かしら、と思ったのもつかの間。それはメロディにせよ曲展開にせよ、あまりにも緻密に計算され尽くされているがゆえのカンチガイで、こいつは聴けば聴くほどにハマっていく深さと奥行きを持ったアルバムだ。

不動の二枚看板たるハリー・ヘス&ピート・レスぺランスのコンビネーションは今がまさに円熟の極み。いつだって僕の魂を高揚させる「全力コーラス feat. ダレン・スミス」にも言うことなし。

自分的音楽史の中で殿堂入りして久しい1stと2ndを除けば(初期2枚への思いはこのへんで記しました。文章が青い!)、かの「Weight of the World」に匹敵、いやもしかしたら上回っているんじゃないかと思わせてくれる満足感。2020年、もっとも「凄い」アルバムを出したのがH.E.A.Tなら、一番「好きな」作品はこのハーレムの新たなる傑作になるんだろうな。まだ上半期も終わっていないこの時点で、僕はすでにそんなことを考えています。

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【2020/06/27 23:13】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
H.E.A.T (2020) / H.E.A.TⅡ
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結論から言えば、これは間違いなく彼らの最高傑作にして、2020年を代表するHR/HMアルバムになる。

デビュー当初のおっとりとした北欧メタル/AOR路線から、3rd「Address the Nation」でのVo交代をきっかけに音の硬度を強めていった彼ら。個人的にはキュートなメロディが全編で躍動する2nd「Freedom Rock」のポップさが大好きで、だから隙あらば「オラオラ系」の音像に接近したがるここ2枚の作風は自分の好みからやや外れたところにあった。

だが、本作。タイトルを見ても、また前作で復帰したデイヴ・ダロン(G)が再び作曲に携わったという点から判断しても、いわゆる「仕切り直し」的な作品であるのは間違いない。が、メロディックバンドとしての出自を確認しつつも、これまでに磨いてきたハードな質感がきちんと保たれているため、安易に過去に戻ったかのような印象をまったく与えない。すなわち、彼らはこれまでの音楽的変遷を総決算しながら自己ベストの作品を生み出すという最高難度のミッションに見事成功しているのだ。

1曲目から4曲目までの流れには圧倒された。文句のつけようもない。「タフ」ではあるが「ラフ」にはあらず、このバランス感覚の見事さよ。”One by One”のGソロ付近でTalismanをふと思い出してニンマリ。キラー揃いの楽曲群の中でも”Heaven Must Have Won An Angel”は私的・裏ベスト曲と呼びたくなる切なさに感動。そしてラストを勇壮かつドラマティックに飾る”Rise”の素晴らしさときたら…。”We are the sign in the northern sky”というフレーズはHR/HM史に残すべき名文句だと思う。

エリック・グロンウォールの歌唱表現力もここにきてまた一皮むけた感がある。「I’m taking you DOWN !」だとか「They're heroes of our TIME !!」といった単語単位でグッとくる歌い手は誰以来だろうか。彼の絶唱がメロディの魅力を5割増しにする”Come Clean”のアコースティックverも実に素晴らしいので、今回は多少高くても日本盤を手に取ってもらいたいところ。

いやはやとんでもない作品が出てきたものだ。ジャンルの壁を越え、ありとあらゆるHR/HMファンに訴えかけるであろう凄味がある。例えるならそう、Treatの「Coup De Grace」やShyのラストアルバムのように。未聴の方には躊躇なくお薦め致します。

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【2020/06/08 23:07】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
Eclipse (2019) / Paradigm
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実は今年になって買ったEclipseの最新作。リアルタイムで手を出さなかったのは、近年のフラッシーなメタル寄りの音楽性に食傷気味になっていたから。それプラス個人的にはこんなこともあったので…。たとえご本人が何と言おうと2nd「Second to None」は傑作です。

で、結論から書くと、少なくともここ3作の中では一番好きな作品になりました。愁いに溢れたメロディがあちこちで聞かれる味わい深い作風に予想外の驚き。しかもその「愁」が「哀愁」という以上に「郷愁」を呼び起こすのが本作の特徴。"Battlegrounds"や"Downfall of Eden"みたいなフォーキーな曲をメインに据えたと言えばいいのか。メロディの源流はやはりゲイリー・ムーア御大にあるのだろうけど、前述の2曲のような元ネタバレバレ感がなくなり、「ありそでなさそ」な絶妙なラインの音像へと消化されているのが良い。

アレっぽい、コレっぽいメタル度は控えめに、むしろハードロック的と言いたくなる「温もり感」が耳に残るのが嬉しい。"United"と"Take Me Home"という2曲のタイトルが、本作の目指している場所を端的に表している気がする。ミッドテンポ主体の地味な作風と言われればそうでもあり、ここ日本では「また出た新作」程度の認識で切り捨てられる危険も大だが、僕はこの路線変更をこっそりと支持したく思います。

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【2020/05/27 23:15】 | HR/HM 新譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
Biloxi (1993) / Let The Games Begin


ゼロ・コーポレーションのオムニバス盤で"Don't Cry No More"に震えて以来ずっと探し続けていた1枚。ああ、なんて罪作りなゼロコーポ。その"Don't~"は、同系統で言うとDepartureの"The Way You Show Your Love"(1stの3曲目ね)に匹敵しうる至高の名曲。そしてつい先日、ようやく見つけることが出来ました(¥700でラッキー)。

とにかくこのバンド、クライド・ホリーなるVoの実力が半端ではない。高い声がちゃんと出る、とかじゃなくて、普通に歌が上手い。とにかく上手い。声を張っても割れない裂けない、保たれる優雅な響き。出しゃばりすぎないGも、ちょいとプログレがかったアレンジを見せるKeyもグー。全パートが実力を出し切ったオープニング"Run for Your Life"、これまた名曲。

土の薫りが時折するも、アーシーになりすぎないバランス感覚もマル。本気で透明感を演出するときの美しさはTNTを彷彿させるレベル。当時どのような評価を得ていたのか分からないけれど、「アメリカから出てきたMasquerade(もち1st)の対抗馬」くらいの扱いは受けていてしかるべし。ああ、出会えてよかった。「時の試練」にこれからも耐えうる逸品だと思います。

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【2020/05/24 09:42】 | HR/HM 旧譜レビュー | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
2019年のまとめ
<新譜>
A.C.T / Rebirth
Beast in Black / From Hell with Love
Cradle of Filth / 鬼女と野獣-転生-
The Defiants / Zokusho
Degreed / Lost Generations
Dream Theater / Distance over Time
Edge of Forever / Native Soul
First Signal / Line of Fire
FM / The Italian Job
Fuki / Million Scarlets
Galneryus / Into the Purgatory
In Flames / I, the Mask
Myrath / Shehili
91 Suite / Starting over Again
Rob Moratti / Renaissance
Roulette / Now!
Syu / Vorvados
Tanith / In Another Time
Work of Art / Exhibits

中島卓偉 / Girls Look Ahead

Long time no see!ちゃんと生きております(誰に言っているのだ)。今さらながら昨年のおさらいをば簡単に。

新譜のベストはWork of Artで決まり。聴いた回数で言うと僕が偏愛する2nd「In Progress」よりも上。3rdでチラと導入されたメタル色をほぼ排したのは大正解。ラストを飾る幻想的な”Let Me Dream”は新境地。洗練されきった音像は1stが一番近いかもだけど、核となるメロディの充実度が桁違い。おかげで聴き疲れせずエンドレスリピートまっしぐら。B!誌レビューでは「彼らの音楽はどちらかというと雰囲気モノ(大意)」てなことも書かれていたけれど、さにあらず。印象的なギターフレーズも含めて口ずさみたくなるメロディが満載の傑作。かのW.E.Tでは「第3の男」扱いだった過小評価の天才、ロバート・サールここにあり。

僕にとって初のリアルタイム購入となったGalneryusも素晴らしかった。文字通りの究極的な一枚だった前作ほどにはのめり込まなかったけれども、”Never Again”や”The End of the Line”あたりの凄まじさはこの身を焦がす煉獄級。Syuさんのソロ作は”Euphoria”と"未完成の翼”が最高。呆れんばかりの果てしなき創造意欲と、それをこんなにも高次元で具現化する手腕に脱帽。その「Vorvados」でのっけから超絶歌唱を轟かせていたFukiのソロ作も期待通り。Commune名義の前作よりもさらにカラフルな(音楽的拡散ともいう)作風で、硬軟自在の「歌心」を心行くまで堪能した。私的ベスト曲は誰が何と言おうと終曲の”Days”。言ってみればフツーの青春系J-Pop曲なのだけど、これが涙腺に来る来る。年を取った証拠かしらね。

前作にちょいと及ばなかったのはDefiantsとDegreed。前者はボーナス曲を含めたラスト2曲が尻すぼみで実にもったいない。後者はせっかくのコンセプトがやや上滑り気味か…とケチをつけつつ、両者とも水準以上の好盤なのは確かなので、もしよかったら拾ってみてください。A.C.T.のミニアルバムは思ったほどには心に響かなかったし、Dream Theaterはごめんなさい、完全に期待外れ。うーん、特にここ2作は苦しいなあ。

復活した91 Suiteのミニアルバムは今後に期待を持たせる好盤!Secretも素晴らしかったから「意外」ってことはまったくないんだけれども。藤木さん絶賛のRouletteはノルウェーのHushとかテリー・ブロックのStrangewaysなんかが好きなら試してみてほしいやや骨太系の音を出しています。Bad Habitを想起させる”Another Night”は北欧メロハーの名曲!First Signalではハリー・ヘスとスタン・マイズナーがまさかの共演。そっか、そういやスタンもカナディアンか。かのMetropolisの”Walk through the Fire”と”Never Look Back”をハリーの声で聴くのはなかなか面白い。作品全体も前作「One Step over the Line」より全然良いです。

この作品だけはどうしても邦題で記したいCradle of Filthのリマスターは大正解。オリジナルのスカスカなDsもそれはそれで聞きやすくて好きだったのだけどね。特筆すべきは気品あふれる女性コーラスがはっきりと耳に入ってくること。身の毛もよだつスリル&劇的さが2倍増し。これは間違いなく「買い」です。

いわゆる「邦楽」の枠では絶対的存在の中島卓偉。今回はアイディアがギラリと光る企画盤。タイトルからも分かる通り、彼がこれまで作曲で関わってきた女性アイドルたちの歌をセルフカバーしたもの。卓偉は大好きだけれど彼の課外活動までは全部追い切れていない自分にはドンピシャの一枚。「Beat & Loose」「煉瓦の家」と傑作を立て続けに発表する一方で、これほどまでに質の高い曲をせっせと量産していたのかとただただ驚くばかり。女性目線の歌詞も新鮮に響く。真野恵里菜に提供された王道ポップス”My Days for You”、ハードにドライブする”イクジナシ”(田中れいなのコーラスもキレキレ)、「哀×爽」のバランスが見事な”スタート”、じっくり聞かせるバラード”泣きたくないのに”、そしてラストをド派手に飾る”友よ”…、この辺りは名曲揃いの卓偉のキャリアの中でも特筆すべき出来栄え。19曲あってもいわゆる”filler”はひとつとてなし。恐るべし卓偉。手を出すか迷っている人が居たら即ゲットを命じます。
(追記:ZIGGY"One Night Stand"のオマージュ曲(?)が入っているのもいい感じ!)

<感動の旧譜>
Millenium / Hourglass the complete sessions
Ole Børud / Keep Movin’
Tony Mills / Streets of Chance
Shy / Excess All Areas (re-issue)
Stan Bush and Barrage / S.T.
State of Drama / Fighter


R.I.P. トニー・ミルズ、ということでShyは再発盤を購入。間違いのない一枚。”Emergency”のGソロは何度聴いてもマジカル。天国でスティーヴ・ハリスと再会できたでしょうか。2018年のソロ作も美しいジャケットのイメージに近い透明感あふれるメロディック・ハードロックど真ん中で大変よろしかったです。

オーレ・ブールードはテクニカル・デスメタルバンドExtol(僕は未聴)のメインメンバーらしいのだけど、ここで聞かれるのは小ざっぱりとダンサブルなAORで大笑い。1stの「Shaking the Ground」も安値で見つけてラッキーでした。極上のカーステBGM。

最後のState of Dramaは掘り出し物。きっかけは国産メロディアスハードの星というべきThe UncrownedのTakeshiさんがTwitterで紹介してくれていたこと(この方のツイートはメロハー者純度120%のファン気質丸出しで好感しか持てない)。いろんな要素がごった煮になったエレクトロ・ポップ/ロックで、曲によってはRasmusやRedを思わせるゴシカルな要素もあって聴きごたえありました。

てなわけで、何かと大変な2020年もどうぞよろしくお願いします。いやあ、やっぱりハーレムはその他大勢とは格が違いますな。そして久々に聴いたH.E.A.Tは…これどうなっちゃってんの??という凄まじさ。この「有無を言わせない圧倒的な音楽の力」はTreatの「Coup De Grace」さえ彷彿とさせるレベルです。それではまた近いうちに。

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【2020/05/06 01:12】 | 年度別ベスト | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
2018年のまとめ
<新譜>
Care of Night / Love Equals War
Creye / S.T.
FM / Atomic Generation
Groundbreaker / S.T.
Guild of Ages / Rise
Kino / Radio Voltaire
Midnite City / There Goes the Neighbourhood
Perfect Plan / All Rise
Treat / Tunguska
Revertigo / S.T.
Signal Red / Under the Rader
Unlucky Morpheus / Change of Generation
W.A.S.P. / Reidolized
W.E.T. / Earthrage

Creyeはジム・ジッドヘッド(Alien)の息子がVoという話題性に負けない楽曲の充実ぶりに拍手(って、今調べたらもう脱退したんかい!)。外部ライター作ではあれど”Christina”というキラーがど真ん中に入っているのも印象◎だし、アダルティな”All We Need Is Faith”とか”City Lights”みたいな曲をさりげに用意できるのも大きい。今後の活躍が実に楽しみなブライテスト・ホープ。そのCreyeには少し及ばずとも、B!誌的に言えば82点~87点くらいの曲が初めから最後まで並んでいる安心印のメロハー作を届けてくれたMidnite Cityも良かった。藤木さんサンキューです。

デビュー作が素晴らしかったCare of Nightも楽しめた。ギタリスト交代を経てもなお、いわゆる「Frontiers」系メロハーとは一線を画す豊かな音楽性は健在。前作のラスト曲“Say You Will”ほどドラマティックな曲がないこと、畳みかける序盤に比べて中盤が弱く聞こえることなどもあって、個人的印象は前作よりもやや下なれど、これでこのバンドへの信頼はがっちり固まりましたね。Voの温かい声(意外と比較対象が思いつかない声質)が聴いていて実に心地よい。

FMは「Rockville」(part 1ね)以来の快作。ポップ・ハード・メロウ・ブルージーetcと手を変え品を変え飛び出すバラエティ豊かな楽曲群に、スティーブ「先生」オーヴァーランドの円熟の美声が映える。ひとつ不満を言えば、待ちに待って聞こえてきた9曲目のバラードがThe Ladderの焼き直し曲だったこと(ライナーノーツでは触れられていなかった)。もちろん佳曲なんだけど、ここは純粋な新曲が聴きたかったな。ちなみに先生とロバート・サール(Work of Art)がまさかのタッグを組んだGroundbreakerもとても良い作品。が、こちらは「快作!」と叫ぶまでには至らず。全曲ロバートが作るでもなし、ちょっとプロジェクトの在り方が中途半端かしら。“Will It Make You Love Me”みたいなWoA系の曲をもっと増やしてくれると嬉しい。てか、もっと言えばWoAを復活させてほしい、叶うなら。

(1月19日追記:WoA、facebook見たら新曲が上げられているじゃないすか!ここは聴かずにじっと我慢の子。いやあリリースが楽しみ!)

Treatは第一印象では前作よりも弱いかなとも思ったけど、よくよく聴けば相変わらずの職人技が光るさすがの1枚。一言でいえば「重厚」。Treat関連でいえば、マッツ・レヴィンの歌ったRevertigoも不思議な中毒性のあるメロディック・メタルでよく聴いた。”Sailing Stones”は名曲。

W.A.S.P.の歴史的名盤リレコ作は「ありかなしか」で言うと、全然「あり」。新しく挿入された曲でテンションが下がることもない。あのオリジナルより優れているとは決して言わないけれど、聴き比べする価値は十分にあると思います。

ここからはネガティブな感想。ガッカリ大賞は断トツでGuild of Ages…これはしんどい。聞かせどころがまるで分からない。彼らの2nd「Heat of Emotion」は「人生の1枚」に挙げられる作品だから余計に厳しい。Kinoは名高き1stを聴いていないのでアレだが、本作に関しては全然良さが分からなかった。

W.E.T.は1stのマジックを期待すると肩透かしの「お仕事」的作品(プロジェクト・バンドはすべてお仕事といえばそうかもだけど)。2nd、そして本作と、依然として水準は高かれども、出来栄えは緩やかに、だが確実に下降している感じ。関係ないけど、いつだかのB!誌インタビューでエリック・モーテンソンがEclipseの傑作2nd「Second To None」を今さらこき下ろしていたのも心証が悪い。あれで彼という人物に対する好感度というか、信頼度はかなり下がりました。ありゃいかん。

音像そのものは非常にスリリングなSignal Redは歌メロが全然耳に残らなくて困った。Shyラストアルバムの奇跡よ再び、とはいかず。Perfect Planも面白くないなあと思ってすぐに売り払ってしまったが、こちらはちょっと早まったかな、という気もする。ちなみに最近は2~3回聴いて刺さらないものはさっさと売却するようにしている。音楽をじっくり聴く時間がとれないなら、せっせと溜め込んでいてもしゃーないなと。

<邦楽新譜>
Kan / la RiSCOPERTA
Sing Like Talking / Heart of Gold

前回記事で挙げている「去年(=2017年)聞いた中でもっとも衝撃的だった作品」とはズバリ、Kanさんの「カンチガイもハナハダしい私の人生」(2010)だったのです。このお方は紛うことなき「天才」(レコーディング風景を記録したDVDを見ていると、その完璧主義者っぷりに圧倒される)。珠玉という形容がふさわしい宝石のごとき9曲がみっしり詰まっています。ここはひとつ騙されたと思って一度耳を傾けてほしい。「愛は勝つ」の一発屋だなんて大間違い。それから現在に至るまで熱はいっこうに冷めず、過去作もほぼほぼコンプリート(「Man」や「Tigersongwriter」おススメ)。泣かせる曲と笑わせる曲の落差がここまで大きい人も珍しい。そのままの勢いで見に行ったライブ「弾き語りばったり」も最高でした。ちなみに上記作品は弦楽リ・アレンジアルバム第2弾で、オリジナル曲が7曲しか収録されていないのは食い足りないが、“君はうるさい”の出来が秀逸なので許しちゃう。

Sing Like Talkingも実質的に新曲は4曲。むしろこのバンドを全く知らない人がここから入るのに適当な作品かも。何せシングル曲の出来がそれぞれ実に素晴らしいから。

<旧譜の感動作>
C.O.P. (2015) / State of Rock
Degreed (2017) / S.T.
Frontline (1995) / Heroes
Galneryus (2010) / Resurrection
Galneryus (2015) / Under the Force of Courage
Galneryus(2017) / Ultimate Sacrifice
7th Heaven (2014) / Spectrum
White Widdow (2011) / Serenade

2018年最大の収穫と言えるのは、Galneryusとの「出会い」かもしれない。いやあ、僕は何で今まで彼らの音楽としっかり向き合ってこなかったのだろうと後悔しきり。自分の中のあるんだかないんだかよく分からない「メタル魂」なるものに久々に火をつけてくれる存在になってくれた。特に最初に聴いた「Ultimate Sacrifice」はとんでもなく衝撃的で、哀愁ハードポップの傑作“Wherever You Are”からラストのタイトル曲に至るまでの流れなんて、もはや完璧じゃないの。ここから徐々にさかのぼってカタログ収集中。ちなみに僕は完全に小野さん派であります。余談ながら、名曲“Burn My Heart”のヴァースってきっと日本語のほうがハマると思いません?ああ、ジャパニーズメタル・イン・ジャパニーズ、万歳。

Degreedのこれは去年聴いていれば年間ベスト入り確定の傑作モダンメロハー。C.O.P.はGrand Illusion別働隊でこちらもいまさらながら聴いたが、本家に負けず劣らずの出来で嬉しい(2曲目のサビメロだけは好きになれないけれど…)。上記2枚はボーナス曲もプリティ・グッドなのでぜひ日本盤を。7th Heavenは驚きの20曲収録で、その7~8割が佳曲という密度の濃さよ。3~4分間ポップスのお手本的作風はドライブのお供に最適。オーストラリアのWhite Widdowはとにもかくにも“Cry Wolf”のインパクト。この1曲だけで僕の心に一生刻まれるであろうバンドとなりました。どこか同郷のRoxusに通じる雰囲気がたまらない。

Kan / Ordinary Days(「カンチガイ~」収録)
Kan / Autumn Song(初めて聴いたとき泣いた曲。名盤「Man」(1996)収録)
Kan / la RiSCOPERTA(新作トレイラー)
Sing Like Talking / 風が吹いた日

Degreed / Animal
7th Heaven / Stoplight
White Widdow / Cry Wolf

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【2019/01/03 12:56】 | 年度別ベスト | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
2017年のまとめ
The Dark Element / S.T.
Dizzy Mizz Lizzy / Livegasm!
Eclipse / Monumentum
Gotthard / Silver
Harem Scarem / United
Jim Jidhed / Push on Through
Lionville / A World of Fools
Lonely Robot / The Big Dream
The Nights / S.T.
The Rasmus / Dark Matters
Tokyo Motor Fist / S.T.

昨年購入した新譜は11枚。実を言うと、「これは前作よりも素晴らしい」だとか「期待以上の出来!」などと思わせてくれた作品は半分もありませんでした。Gotthardに関しては申し訳ないけれど、もう新譜が出ても手は出しません。こんなことを記す時が来るなんて本当に悲しい。

そんな中で、やはりこの人たちは格が違うと思わせてくれたのはHarem Scarem。復活作「Thirteen」も年間ベストに値する素晴らしい作品だったが、今回の「United」はそれをも上回らんばかりの傑作。そろそろキャリア30年を迎えんとする人たちなのに、いつまでもフレッシュな音像を保持していることに感服。特に本編ラストを飾る”Indestructible”のダイナミズムは秀逸。

そしてそんなハーレムよりも聞く回数が多かったのがThe Rasmus。前作「Rasmus」よりもさらにHR/HM要素は後退し、ダンサブルなエレクトロポップにちょいとばかりのロックテイスト(時折懐かしのヌーメタル風味あり)を加えたような趣。ただし、全体として爽やかな印象を与えた前作と異なり、今回はゆっくりと聞き手を仄暗い闇へと引きずり込んでゆくような「引力」が強烈で(アルバムタイトル・アートワークもグッド)、彼らの最高傑作かどうかはともかく、カタログの中で一番聞き込んだ作品となった。世界的ヒット曲になりそうなポテンシャルを持った” Delirium”には完敗。日本盤ボートラも◎。

上記2枚には及ばなくとも予想外の健闘だったのがThe Nights。”Take Me to Heaven”、サイコー。


昨年聞いたHR/HM系の旧譜に関しては以下の6枚が印象に残った。順不同。

Icon (1984) / Night of the Crime(アリゾナ産なのになぜこんなにも北欧っぽいのか。謎多き名盤)
Degreed (2013) / We Don’t Belong (1stとのカップリング盤。僕は2nd派)
Platens(2014) / Out of the World(いまどき珍しい熱血メロハーでお薦め。)
Overland(2016) / Contagious (FMの直近2作よりも充実。ラスト2曲がまさかの疾走ハードロック曲で驚き!)
Seven (2014) / Shattered(究極の名曲”Inside Love”が突出していた1stよりも全体の出来はずっと上。ちょいとメタル化)
Naked (2015) / End Game(Alienのトニー・ボルグ主催。古き良き北欧メタルの快作!)


去年聞いた中でもっとも衝撃的だった作品(邦楽)についてはスペースを変えて書きます。


さて、今年期待の新譜は何といっても久しぶりのW.E.T.ですね。Eclipse本体がどうにも僕の好みから離れていくばかりの天才エリック・モーテンソンがJourney愛を取り戻してくれることを祈りつつ…。HR/HM以外で言えば間もなく発売のSing Like Talkingで間違いありません。

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【2018/01/14 10:28】 | 年度別ベスト | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
Sing Like Talking (1993) / Encounter
encounter.jpg1. encounter I 2. My Desire ~冬を越えて~
3. Fake It
4. In The Rain
5. 今日の行方
6. encounter II 7. 離れずに暖めて
8. Restless ~君の許へ~
9. Givin’ Me All
10. Maybe
11. encouner Ⅲ 12. 止まらぬ想い
13. Our Way To Love


encounter = [noun] a meeting, especially one that is sudden, unexpected
続きを読む
【2017/08/22 22:20】 | Sing Like Talking | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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